狂気
死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。
何故、あんたはそうやって僕を追い詰めるんですか?
死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。
『妹子、聞いてくれ。竹中さんが―』
僕はこんなにもあんたを愛してるのに。
死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ!!
「……い゛…こ…、」
ねぇ、何故あんたは僕を見てくれなくなったんですか?
少し前からそれは酷くなって。
今もあんたの目は空を泳いで…。
「……?」
何か落ちた―
!!!!
"妹子へ。
妹子の誕生日に何をあげればいいのか分からなくて、竹中さんに相談に乗ってもらったんだ。
妹子、いつも腕出してるから、長袖のジャージがいいんじゃないかって。
私とお揃いだから、大切に着るんだぞ!"
あぁ、僕はなんてことを…!!
「……た、いし……?」
起きて…起きてください。
また、狸寝入りなんでしょう?
あんなことで聖徳太子が死ぬわけがないでしょう?
「太子っ!!!!」
悲鳴にも似た叫び声を上げ、僕は倒れた。
―終幕―
オマケ
「……?」
「起きたか、イナフ」
…何故、お前がいるんだ…?
憎い憎いお前が。
「……太子はっ!?」
「………」
暗い目が隣の部屋へと移動する。
太子太子太子太子太子太子太子太子太子太子っ!!
「……ぁ、妹子。起きたんだ、大丈夫?」
…あ、生きてる…。
ひ弱な笑顔。
首には僕が締めた赤い痕跡。
「……っ!?」
「すいませんすいませんすいませんすいませんすいません」
びくりとその肩が震える。
怯えてる…無理もない。
僕はその体を抱きしめ、泣きじゃくり、嗚咽混じりの掠れた声で謝り続けた。
謝ることしかできなかった。
「……いいんだよ……」
ぽんぽんと背中を優しく叩き、太子は言った。
「いいんだよ、妹子」
僕はもうこの人を傷つけない。
心も体も…。
絶対に。
泣きながら太子を抱きしめる腕に優しく力を込めた。
―終幕―
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