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「我が妃にそのような事をする不届き者が居るわけがなかろう。」
肌をざわつかせるような重低音にハッと顔を上げる。

そこには太陽を背に受け、髪を黄金に輝かせている諸悪の根源が居た。
ムッとしながら渾身の睨みをぶつける。
しかし、そんな俺の態度などお構いなしに、両脇に手を回され、子供のように抱き上げられる。
逞しい腕は俺など赤子のように軽々と持ち上げ、抵抗など物ともせずに目線が同じになる高さに抱きかかえられた。

「どうした。何か嫌な事でもあったか。」

うん?と、男前な顔で優しく俺の顔を覗いてくる男に一瞬どきりとしてしまう。
しかし、こいつが原因なのだと思い出し、慌てて頭を振る。

「お前が嫌だ。降ろせ、この強姦魔。」

ぼそりと言うと、先程の笑顔の状態で一瞬固まったかと思うと、セックスの最中に見せる片方の口角を上げた嫌な笑みに変えていきなり俺の尻に指を捻じ込んできた。

「っや!…ゃっめろ、よ。この変態!」

何の滑りも無いが、毎日暇さえあればこいつの馬鹿デカイ逸物を嵌められている尻穴はなんなくゴツゴツとした男の指を一本受け入れてしまった。
因みに、俺の今の格好は腰元だけを柔らかな毛皮で巻いた状態で、下着などという物は与えられていない。
そのため、こいつ侵入を呆気なくも受け入れてしまっている。

「くっ…そっ!っこの、色情魔っ!離しやがれっ!」
渾身の力で身体を捩り、睨みつける。
しかし、ガルデと同じく全く効かないのか、ふふんと厭な笑みを返してきた。

「そうは言うが、ハジメの此処は私の指を旨そうに喰っているぞ。」

確かに俺のケツは完全にそこに物を入れられると蠢くように変わってしまった。
だが、これは俺の意思じゃない。

「おっまえが…お前がっ!」

悔しさで目の前が真っ赤になる。
言ってやりたい事は沢山あるはずなのに、開いた口からは中々続きの言葉が出てこない。

「ふっ、私がどうした。私の愛撫が気持ち良過ぎて、我が妃がいつも淫らに乱れる事なら知っているが。」

レイはそう言うと、尻にめり込ませていた指をもう一本増やし、胎内を掻き回してきた。

「ひっ!」
丁度指が好い所に当たってしまい、俺は悲鳴じみた声を上げる。
ぐちゅぐちゅと蠢く2本の指に翻弄され、徐々に思考がぼやけてくる。

嫌なのに。本当はこんな事したくないのに。

朧げになっていく視界の端に憎い奴の嬉しそうな顔を捉えた瞬間、俺の口は動いていた。

「ってめぇなっんか、ヒモロギのっ、ちからっが、無ければ、ド下手の、ノーテクのクセにっ!」


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