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×2000(黄瀬)



「うっは白髪」



空から舞い落ち揺れ落ち世界は塗り替えられた。
白く、光るほどに白く。銀色とも例えられるそれは
花弁のようで。

久しくこの世に舞い落ちたその花弁のような白銀は、
彼の輝きすら白く染め上げてしまった。


なんてクサイ台詞吐いている場合じゃないのだ。
傘がない当たり前ながらカッパもない、彼氏もヘタレ
ときて、現在駅に向かって全力失踪中なのだ。
なのだが、いつの間にか足元でサクサク言ってた雪はべっちょりとした水に変わった、同じように髪もびっちょり。
それでも更に降り積もる。残酷にも程があるでしょ、たまに現れたと思ったらこれかよー、
自分が年をとったと実感する瞬間である。
いや、そんな事言ってる場合じゃないぜ。
ピンチだ。

「ちょ、何て事言うんスかハルカっち!」

「だって真っ白だよ?雪まみれだよ?うっは白髪w」

涙目の彼氏。

「……己の彼氏に何て事言うんスかハルカっち!」

ぷく、と膨れたモデル肌。

「ダーイジョーブ。それでも涼太はかっこいいよ」

二筋流れた嬉し涙。

「ハルカっち大好きっス!!」

抱き着こうとする大きな手。

「うちはそうでもないよ」

かわしたら残念そうにする女顔。

「…ハルカっち愛してるっスよ!」

流石モデルだね、って誉めてあげるよ。

「うちはその20倍愛してる」

「ハルカっちちゅーして良い?」

「やだ」

「…抱き締めて良い?」

「寒いからやだ」

「…暖めて良い?」

「警察に飛び込むよ」

「……愛してるっスー」

「あーそう」

「愛してるっスー―――――!!!」

「聞こえなーい聞こえなーい何にも聞こえなぁぁあい」

「……………愛してる」

「私も」

「……私も?」

「…あはは」

「焦らさないでよー」

「とりあえず、屋根を確保しようね」

「…家、おいでよ」

「またエッチなこと?」

「うんそう」

「ふーん」

「ね」


「おいでよ」


万円の笑顔、愛しき笑顔、
愛してるよ


×2000

貴方のファンの誰よりも
貴方のファンでいたいんだよ

私が貴方の1番でいたいんだよ!


せっかくお仕事無いのに

何で雪なんて降るんだろ


大好きなのに






――――――――

黄瀬くん最近出てこないよ黄瀬くん
しかし可愛い^^



まえつぎ

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