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ガトー、ショコラ(黒子)



昨日はバレンタインだった。
1日遅れだけど、と我がバスケ部のマネージャーは、律儀に部員全員にチョコを持ってきている。
因みに彼女の彼氏である僕は、昨日しっかり美味しいガトーショコラを戴いた。


「はーい皆お疲れさまー義理チョコのお恵みですよー」

「何その渡し方ー可愛くねーなぁ」

青峰くんたらそんな事言っちゃって。ニヤニヤしてるくせに。

「あっは、じゃあ可愛い渡し方ってどんなのよ?」

「こうもっとさ、恥じらい?みたいな」

ハルカさんも乗らないで下さいよそんなのに。

「あっは何それー漫画読みすぎじゃない?」

「いーだろ別にーちょっと位サービスしろよ」

青峰くん何言ってんですか。
帰り支度をする手が一瞬止まった。
て言うか何でハルカさん男どもが着替えてる真っ最中の部室に居て顔ひとつ赤くしないんだろう。


「わかった。そんなに言うならやってやろうじゃないか」


その言葉が出た途端、
並んでいる黄瀬緑間赤司その他諸々の手が、
気持ち良いくらいピタッと止まった。


「1回しかやってやんないからしっかり見ておいてよね」


その言葉に、
横に並んでいる部員がバッと振り向いた。
緑間くんは、眼鏡を掛け直し、落ち着いた様子で後から振り向いた。
僕は、帰り支度を続ける。


「でもさー…恥じらいかあーよくわかんないなあ」


ああもう

「なんかもっとこう、」
「言葉が途切れるって言うか」

煩いなあ。

「ホント恥ずかしそうに?」
「表情も大事だよな」
「そうそう!赤らめて、」

煩いよ。

「目線は合わせない!」
「オレ上目遣いの方が良い!」
「えええー!!」

ホント

「俺見下すみたいな感じがいい!!」
「何お前Mなの?」
「オレツンデレ希望!!!」
「あっ俺も!」
「俺も俺も!!」

……煩い。


「ちょっストップストップ!ハードル上げすぎでしょ!てか混ざりすぎ!もっと…」

「んん!?」


「「「「「!!!!!!」」」」」










煩いので塞いであげました。
ガトー、ショコラ



横目で見る部員達は呆然と立ち尽くし、
空気は冬らしくひんやり冷たい。
それでも彼女から漏れる吐息は熱く、艶やかで。
そしてある事に気がついた。






(………そう言えば付き合ってる事言って無かったな)




ま、いっか。










――――――――

こりゃ酷い^^
黒子はチョコはビターな方が好きそう
ミルクチョコも似合うけど^^←




まえつぎ

あきゅろす。
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