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88888  ルクガイ 誘い受けガイと振り回されるルーク

もしかして、誘われている…とか?
ガイの行動を自分に都合よく解釈しすぎだ、と諌める声も胸の内からあがる。
だが、そう考えないと前に踏み出せない。
もだもだと考えに考えた結果、えいやっとばかりにルークは一気に身体を起こして寝台をおりる。
恐る恐る振り返ると、ベッドに横になったガイと視線が絡む。
その視線に圧され用意していた言葉が頭からすっ飛んだ。
「…お、起きてたのかよ」
ガイが起きているのはわかっていたが、真っ白になった頭からはそんな言葉しか絞り出せなかった。
「んー、まあな」
動揺するルークとは対照に普段と変わらないガイの態度をみて、思い出す。ガイは昔からルークの狸寝入り見破っていた事を。
……じゃあ、あれは……。あのくちづけは。


ずかずかと歩いてガイのベッドに歩み寄る。ルークから視線を外す事なく、ガイはゆっくり上体を起こしベッドの端に腰掛ける。
ガイの行動の意味を探ろうと思案すればする程に、心が期待に満ちてくる。喜色に染め上げられる。
膨らみきったこの気持が、失望で弾けるんじゃないかという不安もあった。
それでも、この予感は大丈夫、間違っていない、と自分を鼓舞して不安を吹き飛ばす。
「もうちっと…わかりやすく誘えよ!」
照れ隠しにぶっきらぼうになったが、ガイが気にした風もなくへらりと笑ってみせる。
「例えば?」
「たとえばって……。そんなのお前が考えろよ、女たらし」
「女たらし?俺の体質知ってるだろ」
「触れないだけで、甘い言葉と笑顔を方々に振りまいて気を持たせてるだろ」
「なんだ、やきもちか」
「わりぃか、そーだよ!」
ガイとの遠慮無い言葉の応酬で、箍が外れ本音がぼろりとこぼれ落ちた。
その言葉にガイがわずかに瞠目し、それからふっとため息をこぼす。


ゆっくりと伸ばされた手が、また熱をもったルークの頬を優しく撫でる。
「悪い、意地悪だったな」
「い、意地悪っつーか。こっちが混乱するだろ。急に風呂入ろうとか言い出したりしてさ」
「……仕方ないだろ。俺だってプライドってもんがあるんだから」
「なんでここでプライドが出てくんだよ」
ガイの言葉を汲み取れないルークは口を尖らせる。
ルークの問いかけに、ガイは「言わせるのかよ」と眉を下げて少しばかり苦く笑いかえす。
「言葉の真意を探れるほど、悔しいけれど俺は大人じゃない」
じっとルークはガイを見詰める。
真っ直ぐに向けられた視線の強さにガイは胸の内で、降参、と漏らす。
頬を撫でていた手を腕へと移動し、少しだけ引き寄せると、ルークの身体に顔を寄せる。
「みっともなく遠まわしに誘ってみたって事さ」
幾分早口だったガイの言葉にルークは目を瞬かせ、視線を下ろす。
顔は変わらず鳩尾付近に埋められたままなので、表情は窺えない。
なんでそれが「みっともなく」になるのかがルークにはわからない。
体の年齢差は4。実年齢ともなると14も差があると、壁は厚く高い。ガイの考えや気持ちを100%わかってやれる日なんて訪れるんだろうか。
ルークは少しばかり暗澹となる。
だが。
今までの存在や価値を根底から覆された事で、ガイとの間に「親友」という関係だけが残されたと思っていた。
それが、馬鹿な思い込みだ、と気づかせてくれたのはガイの遠回りなアプローチのおかげだ。
ガイの黄色い頭を抱えてもっと深く引き寄せる。
「あ、あのさ。ガイ。えっと」
こんな時なんて言えばいいんだろう。ルークはぎゅっとガイの頭を抱えながら、これから先へ誘う言葉に迷う。
早くしなきゃガイが窒息するよな、えーと、でも。やろうぜ、ってのはムードぶち壊しだし。えーと、えーと。
ぐるぐると様々な言葉が駆け巡った挙句、ルークの唇からこぼれたそれはやはり遠まわしなものであった。

「終わったら一緒に風呂はいらね?」



*******



服を脱ぐのが先だったろうか。脱がせるのが先、いやいや、キスの方が先だったか。
幾度となくしてきた行為のはずなのに、緊張しすぎて手順がすっぽり頭から抜け落ちてしまった。
あ、そうだ。キスが先だった、と漸くルークが思い出したのは、自分の寝衣をがばっと勢い良く脱ぎ捨てた後だった。
暖房が利いているとはいえ、室温はそこまで高くはない。
ルークは思わずぶるりと身を震わせる。ベッドの上で向かい合わせで座っているガイが表情を緩ませながら引き寄せる。
抱きしめられる形になってルークは不本意そうに少し眉を寄せるが、それでも久しぶりの抱擁は優しくてあたたかい。
くっついた身体がじわりと熱くなっていく。
その温かさにおされるように、顔をわずかに動かし頬に唇を寄せる。ゆっくりと唇をすべらせてガイのそれに押し当てる。
触れるだけのキスはすぐさま離れた。だが今度はガイが顔を寄せ、誘うようにルークの下唇を食むと、舌で舐め上げる。
ガイからの誘いに応えるべくルークは舌を突き出して、ガイの上唇に滑らす。
「…んっ」
呼吸が乱れ始める。互いの唇をなめていた舌を絡ませ、吸い上げたり、口内をまさぐる。
熱がどんどん高まっていく。ガイのシャツの裾から手を差し入れて身体をまさぐりはじめる。
久々に触れる素肌に掌の動きは性急さを増していく。
ちゅっと音を立てて唇を離すと、不器用な手つきでガイのシャツのボタンをはずしていく。
露わになった肌に唇を寄せる。先ほどの濃厚な口づけのせいでぬれたそれが首筋に触れると、ガイは小さく震えた。
ルークの掌が脇腹を摩りながらあがっていく。外気にふれて既に立ち上がっている胸の突起を摘むと、弾んだ息が返ってくる。
跡を残さないように注意を払いながら肌を吸い上げる。
緩やかな刺激に、ガイがわずかに腰を揺らめかせる。その反応に安堵と、そしてまた身体がずくりと熱を持つ。
空いた手でガイの下腹部を直に触れれば、そこは硬く濡れそぼっている。
根元を掴んで擦り上げると
「やっ…めっ…ッン」
制止するようにルークの腕を掴むが、力がはいらずに縋るような形になる。
指腹で先走りが滲む鈴口をくりくりと刺激すれば、肩に顔をうずめて息を詰める。
溢れ出る透明の液で、陰茎を扱くたびにぐちゅぐちゅと淫猥な音が立つ。
「っふ……ル、…ンッ。あッ」
漏れる声も甘く濡れていてルークは益々熱が高まっていくが、性急にならないように必死で己を律した。
久しぶりなんだし、慎重すぎるくらいで丁度いいんだ。
そうしたルークの必死の努力も
「なあ、ルー、ク。………早く、お前が欲しい」
喘ぐ息の合間にこぼされたガイの言葉の前に霧散した。



一度奥深くで爆ぜても、まだ熱はおさまる様子をみせない。むしろより高まっている気がした。
頬を上気させ、はあはあ、と荒い息を整えながら見上げてくる眼差しは、まだ欲しいとねだっているようにみえる。
繋がったまま上体を屈んで、開いた口に舌を伸ばし差し入れる。熱く濡れた舌がそれに応えてくれたので、ルークは名残惜しげに唇を離すと腰を抱え直す。
ゆるゆると浅く律動をすると、「んっ」と甘い息を零しもどかしげに腰を震わせる。
先程は硬く狭かった内部も、今は熱く、再び精を絞りとろうとするように柔らかく絡みつき収縮する。
それに煽られるように激しく再奥に突き立てると、喉をしならせて「あっ!…ンッ」とひきつったような声を漏らす。
激しく揺さぶるように律動すると、ガイの口からかすれた喘ぐ声がひっきりなしに上がってくる。
腰から快楽の電流がビリビリとせりあがってくる感覚を堰き止めるようにルークは歯を食いしばる。
奥をかき回すように腰を動かし、緩急をつけた動きをすれば
「ぁッ!……はぁっ…」
とガイは腰を跳ねさせる。
「も、……、っと、はげしっ、…く」
途切れ途切れに言葉を紡ぎ、ルークの腰にガイの足が絡む。
ガイの誘いに応えるべく、ルークは欲望のままにガツガツと腰を打ち付けた。
腰に回された足がびくびく痙攣し、声は「あっ、―――ッ!」と切羽詰まった悲鳴のような声と同時に内部がぎゅうと扇動し、びゅくびゅくと温かい液が互いの腹を濡らす。
それに呼応するように再びルークも中で爆ぜた。


汗や体液で濡れた身体を仲良く洗い合うのはこれから一時間後のこと。






キリ番88888で幸梨様から「なんだか男前で誘い受けエロスなガイと振り回される?ルーク」でルクガイ裏という内容で
いただいたのですが、どこが男前?どこが誘い受け?なガイと、振り回されるというかなんというか…なルークに
なってしまいました。ごめんなさい
誘い受けの道は深く険しかったですが、楽しく書かせていただきました。有難うございました。
そしておまたせして本当に申し訳ございません

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あきゅろす。
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