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フリリク第二弾
あまあまジェイガイ 後編
言うんじゃなかった

ぼんやりと霞がかった思考で、片隅に小さく残った冷静な自分がつぶやくのをガイは感じた。
「ぁ、ンンッ、……アッ」
四つん這いの姿勢で、背後からの激しい律動に声を殺す事ができずにいる。
ジェイドの熱が内部を穿つたびに、肉のぶつかりあう乾いた音がガイの鼓膜を震わせる。
一度最奥に放たれた精液が隙間から滲み、抜き差しするたびにびちゃびちゃと水音を立てている。
きつくシーツを握りしめている腕の片方をジェイドに取られる。
え?と思う間もなく、ぐいっと後ろに引かれる。
自然と身体が弓なりに反らされる形となる。
ぐっと挿入が深くなり、ガイは声にならぬ悲鳴をあげて頭を振る。
「や……、ぁ……、ぅっ……」
ぱくぱくと口を開閉して、衝撃をやり過ごそうとする。
ガイは息を整える暇もなく、ジェイドが激しく律動を再開したため「ひっ……、やっ……」と抗議の声すらあげれずにいる。
腕をひかれているため、深く結合し、そして一気に攻め立てるような抜き差しにガイは翻弄される。
腕を掴んだまま、空いた手でガイのたちあがった性器を握り込む。
「あ、っつ、ああっ、アアッ」
律動に合わせて性器を扱かれ、その強すぎる刺激にびくびくと身体が震え、一気に絶頂へと押しやられる。
ジェイドは一度だが、もうガイは三度は達しており、射精の快楽には苦痛の色も滲んでいる。
それを恐れて、いやいやと子供のように涙を流しながらジェイドの手から逃れようとするが、それも叶わない。
親指の腹でダラダラと先走りを零す鈴口を優しく撫でながら、茎を激しく扱きあげられる。
ほんのりと色づいている肌の上に汗の珠が光っている。うなじにジェイドは唇を寄せる。
激しさを増す下半身の動きとは裏腹に、それはとても優しく穏やかなものであった。
背後から突きあげる間隔が短く早くなり、内部の凝りをぐいっと強く穿たれた時、ガイの視界が白くはじけた。
「っつ―――ッツ」
全身を不規則に痙攣させながら、ジェイドの手とガイの腹を濡らして白濁液を散らす。
掴まれていない手は、もうシーツをつかむ力は残っておらず、ずるずるとベッドに倒れこむ。
性器を握られる前は、散々弄られ硬くなった胸先がシーツのこすれる。
その刺激だけでも、射精の余韻に過敏な身体がビクリと反応する。
はあはあと荒く息をあげるガイの身体の奥にあった熱がずるりと抜けていく。
それに続くように中に放たれた精液が零れ、臀部を伝っていく。
深く繋がっていたものが出て行く、その喪失感に身体が小さく震え「んっ」と息を漏らす。
この瞬間はいつも寂しさがつきまとう。
そんな自分にガイは胸のうちで小さく笑う。
これだけ散々啼かされてどれだけ自分はあさましいんだ、と。
身体は限界を訴えても、心はまだ足りないと飢餓を訴える。
肩をゆるく押され、仰向けにひっくり返される。
薄く開いた視界は涙でぼやけていたが、近くなる気配に誘うように瞼を閉じる。
喘いで乾ききった口内を、ぬめった舌があます所無く舐め上げていく。
縮こまった舌を音を立てて吸われると、ぞくぞくと身体が震え、限界だったはずの身体がまた熱を持ち始める。
ジェイドはガイに選択をさせる。
追い立てるような口づけをしながら、ここでガイがジェイドの腕なり身体の一部を軽く押し返すだけで、これを終わらせる。
汗ではりついた前髪をはらいながら「シャワーでも浴びましょうか」と提案するだろう。
わかっていながらも、先日のように意識が飛ぶまで深く繋がっていたいとガイは願う。
ジェイドのなすがままであった深く口づけに応えるように舌を絡ませ、ジェイドの首に腕を回す。


「あっ、ああっ、ふかッ、ンンーッ」
膝が胸につく程に身体を折り曲げられ、腰が浮き上がっている。
思う様に突き立てられ、揺さぶられ、苦しいのに気持ちが良くて。
奥深くを穿つ激しさに喉を仰け反らせる。
上体を屈めて、ジェイドが喉仏に舌を這わせる。
奥深いところに挿し込まれたジェイドの性器の角度がかわり、ガイは「ひゃ、あっ」と喘ぐ。
ガイの顔にジェイドの汗が零れ落ちる。
火山でも砂漠でも涼しい顔してたくせに、と場にそぐわない事をガイは思う。
「ジェ…イ…、ンッ、…ジェイド」
名を呼ぶ声があまりに舌足らずで少しばかりガイは気恥ずかしくなる。
だがそれに呼応するように「ガイ」と呼ぶ声が珍しく上擦っていたので、あおいこだな、とガイは小さく笑う。
そんな事だけで快楽は高まっていく。
身体を満たす充足感と、たとえようもない幸福感にガイは包まれながら、ガイは数度目の絶頂へと導かれた。




**********




ふわあああ、と大きな欠伸を一つするとマルクトの皇帝、ピオニーは寝台を下りた。
ボサボサの髪を掻きながら「風呂にでもはいるか」とメイドに湯浴みの用意を申し付けようとした時、扉が叩かれた。
扉の向こうからは彼の幼なじみの声がして、眉を顰める。
「なんだってんだ、こんな時間に」
と思いながら入室を許可すると、周囲の心を凍りつかす満面の笑みを浮かべて、ブウサギの手綱を引きながら部屋に足を踏み入れてきた。
「お、おま、ど、どうした」
俺は真面目に、本当に真面目に職務は遂行してきたはずだ。
たまにガイラルディアをからかったり、とんずらこいたり、夜の街に出かけたくらいしかやってない。
ブウサギの手綱をジェイドから奪い返すと、不審な思いを隠さずにピオニーはジェイドをジロジロと無遠慮な視線を送る。
見慣れた手つきでメガネの位置を正すと「本日ガイはブウサギの散歩は不可能ですので、私が替りにやっておきました」と告げる。
「は?」
一瞬呆けたが、すぐさまジェイドの意味する事にピオニーは気づく。
そういう種類の事に彼はとても聡い。
なんだ、ごちそーさん。と返そうとしたピオニーの耳に氷の息吹が吹き込まれる。
「陛下。次に子どもじみた悪戯をするなら、手綱が数本少なくなる事態に陥りますよ」
動物的本能なのだろうか。ブウサギが一斉に鳴いてピオニーの背後に隠れる。
「やめろー、こんな可愛い子たちになんて事お前は言うんだ」
ブウサギを背に庇いながら、ピオニーがジェイドに食って掛かる。
「可愛い部下相手に嘘の手紙で動揺させるあなたに問題はないとでも」
すると、ピオニーはピタリと動きをとめると、にやりと笑ってみせる。
「へえ、動揺したのか。へー、ガイラルディアが貧血で倒れたって事で、お前が動揺ねえ」
人の悪い笑顔でからかおうとするピオニーに、ジェイドは「譜術ぶっぱなしますよ」と最低限の取り繕いさえせず真顔で言い放つと、さっさと背を向けて扉の向こうへと消える。
ジェイドの姿がなくなったことで、安堵したようにピオニーの背後から前に出ようとするブウサギをピオニーは一匹抱えあげる。
「可愛くない方のジェイドも、ガイラルディアのおかげで随分可愛くなってきたもんじゃないか。なあ」
と可愛い方のジェイドに笑ってみせた。





蒼海様の「あまあまジェイガイ」のリクエストでした。
大変お待たせいたしました。
あまあま?という感じなのは否めないのですが。
でも自分で書きたかったJG像を書けて凄く満足しています(また自分だけ楽しい事に)
本当にありがとうございました。

蒼海様のみお持ち帰り可能です

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