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フリリク第二弾
ピオガイ 後編
「……っ、あっ……ンッ…」
漏れる吐息は甘く切なげな色を帯びている。

ようやくここまでたどり着いた、よく俺は頑張った!と滅多なことでは発揮しない粘りと頑張りに、ピオニーは内心で自分に喝采をおくった。
恥ずかしがるガイをなんとかねじ伏せるのにもかなりの体力を要した。
そしてその事で、ぜーはーと上がった息がガイにかかる。それだけでガイは「ひっ、や、めっ……く、くすぐったい」と身を捩らせて笑い出す。
まさか組み敷いた相手から、誘うような笑いではなく本気の笑いが返ってくる日が訪れるとは…。
どこか遠くで男の矜持とやらが崩れる音が聞こえてくるようであった。
だが、そこで挫け諦める男ではなかった。
それにガイが無邪気に可笑しそうに笑う様子は新鮮だとピオニーは思い、愛しさは益々募ってくる。
ピオニーによって衣服の殆どを剥ぎ取られ、シャツが両腕にかかっているだけの全裸に等しい格好で、身を捩る様子も本人の意図しないであろうが、とてもとても淫猥であった。
首筋に顔を埋めようものなら「ひっ、へ、へいかぁ、やっ…くすぐっ、」と、笑いを堪えようと震える性感に未成熟な身体を己の手で開花させてやろう、という男なら誰しも抱く感情もあった。
そんなこんなで、恋に関しては不屈の精神の男、ピオニーはようやくガイを喘がせる事に成功をしたのだ。

ぷっくりと隆起した乳首を親指と人差し指で摘むと、いじりだす。
引っ張り、押しつぶし、捏ね回す。そうすると、先ほどと同じように頬を染め、先ほどとは違って蒼い瞳を熱く潤ませてわななく唇は「へい…かぁ」と舌足らずに指の主を呼ぶ。
「陛下じゃないだろ。ベッドの上くらいちゃんと名を呼べよ」
快楽をまた追い立てるように、舌で舐め、そして固く凝った先をきつく吸い上げる。
「はっ、あぅっ、あああぁんッ!!」
頭を振って初めての強烈な刺激に震えるガイを、もっと追い立てるように、もう片方の手で反対の乳首をいじりだす。
「やぁっ、ああ、や、だ。陛、かぁ、おか、……しく」
乳首から口を離して「ガイラルディア、目を開いて俺をみろ」と命ずる。
おそるおそる見開いた瞳は熱く濡れている。つっと目尻を伝って落ちる水滴を舐めとって、再び、そして見せつけるように舌をだして胸先を舐め回す。
刺激を受けているのは胸なのに、それがダイレクトに腰に熱を集めていくのをガイは感じていた。
ピオニーはガイと視線を絡ませながら、空いた手をそっと下へと移動させる。
びくびくと波打つ腹筋を撫で回すと「ひあっ」と出来損ないのような声がガイの声からあがり、羞恥に顔をまた赤く染め上げる。
ピオニーの手はそのまま下降し、芯を持ち始めた性器に触れる。
それだけで組み敷いたガイはびくびくと身体を跳ねさせ、「や、っ、そ、んな…とこ…ろ」と悲痛な表情でいやいやと首をふる。
指をその熱に絡めて動かすと、「やああっ、やめっ、おねがっーーッツ、はッ、ひぁっ」身を捩ってぼろぼろと泣き出し懇願する。
だが言葉とは裏腹に、掌の性器はびくびくと熱く脈打ち、質量を増していく。
亀頭に触れずとも先走りは溢れ、肉茎を濡らし扱く動きをより滑らかにさせる。
「よご、れ……アアッンっっ、ま、ああっ、だめっ」
悲痛な懇願に、ピオニーは「名を呼べば止めてやるぞ」と耳元で囁く。
耳に息がかかるだけで、新たな官能が背を走り、腰を揺らめかす。
「はっ、アアッ、ンッ……ピオ…ニー」
ピオニーの名を口にしただけで、恥ずかしそうにぎゅっとかたく目を瞑ったガイに、いたわるようにピオニーはその目尻にキスを落とす。
「よくできたな」
そう褒めると、扱く手をより一層はやめ、透明の雫を零す先端を親指の腹でぐりぐりと弄りだす。
「ひゃっ、だ、めぇっ、手が、よご……ンンーッ!!」
呆気無くガイはピオニーの手で達した。
荒い息を吐きながら、恨めしそうな瞳がピオニーを捉える。
うそつき、と詰っている瞳だ。
恋人という一つ違うステージに進んだ筈であったが、ガイは平素とあまりに変りなく、むしろ関係性が後退しているように感じていた。
だがこうして深く触れる事でガイが新たな表情を見せてくれるだけで、胸が歓喜で満たされていく。
詰る瞳のそばに軽く唇を落とし、頬や、鼻先や、何か言いたそうに開かれた口の端にも落とす。
すると険を帯びていた蒼い瞳やわらぎ、気持よさげに目を細めてピオニーの唇を素直に受け止める。
「ほら、俺のオレンジジュースの法則は間違っていなかっただろ」
ん?と小首を傾げるような仕草をみせるガイに、ピオニーは笑って胸を張る。
その子供っぽさの残るピオニーに思わずガイは笑みを零す。
「これからはもっとお前に甘いもの沢山食べさせてやるよ」
ピオニーの言葉に、ガイは僅かに目を逸らし逡巡してから、褐色の腕にそっと手を触れる。
「あの、それは……」
「安心しろ。今日色んなもん食ったら腹壊すぞ。
あ、でも今から一緒に風呂は入るぞ、それだけは譲らんからな」
「い、え。その……もっ…と」
それ以上ガイは言葉を紡げずにいた。それに続く言葉はピオニーの口に呑み込まれたからだ。
激しく貪る口づけにガイは瞠目するが、ゆっくりとまぶたを閉じ、腕をピオニーの後頭部に回して、互いの舌を絡めあった。



ぐちゅぐちゅと淫猥な水音がガイの鼓膜を震わす。
限界ギリギリのところで耐えているガイにとって、そんな音だけでも昂ぶる要因となってしまう。
「だ…めで…す、でちゃああああっ、も、うっ!」
切羽詰った声は、甘い響きを多く含んでいる。それに気を良くしたピオニーは益々口内のものを攻め立てる。
亀頭をしゃぶり、それから根元まで咥え込み、喉奥や上顎に先端を擦りつけるようにする。
熱く濡れたもので性器を含まれている。今までに味わったことのない刺激に、その奥の窄まりに差し込まれた指の動きに意識を向けることはなかった。
時間をかけてゆっくりと解され、広げられたそこは指を三本も咥え込んでいる。
達しそうになると性器から口から離し、焦らすように双球を口に含んだりしてして刺激する。
絶え間なく押し上げられたままの快楽にガイは涙を流しながら翻弄される。
欲に満ちた目で、ねだるように見上げられると、さすがにピオニーも限界がくる。
「痛かったら俺に爪たてていいし、噛み付いてもかまわんぞ」
快楽で蕩けた思考でもそれがあまりに恐れ多い事だとガイはわかっている。ふるふると首を振るガイに再度耳に口を寄せてささやく。
「俺は別にお前を夜伽の相手として呼んでいるんじゃないだろ。
恋人同士がヤッてんだ。痛い思いしたら仕返しくらいしてやれ、それが恋人同士のマナーってもんだ」
いくつも重ねられた枕の二つほど取ると、ガイの腰の下に宛てがう。
「第一、本当は違う体勢の方が負担少ないのに、お前の顔みたさにワガママやってる奴に遠慮はするなよ」
抜き去った指のかわりに熱く猛ったものが押し当てられる。
ゆるゆると閉じていこうとする箇所を抉じ開けるように、ゆっくりと押し入れる。
びくびくと解放を待ち侘びて、ピオニーの唾液とガイの先走りでテラテラと濡れているガイの性器をそれにあわせてゆっくりをしごき出す。
ぐっと腰を進めると、痛いほどの締め付けにうっと呻きそうになるのを堪える。
少しばかりピオニーは逡巡して動きをとめたが、再びぐいぐいと躊躇わずに根元まで押し進める。
「はっ、……あっ、……ンーッ…」
手を動かしながら、苦しげに眉を寄せているガイの顔に唇を落としてやりながら、身体が馴染むのを待つ。
扱く手の動きに合わせて、あ、はあ、と口から甘い息が漏れ出す。
それに合わせるように、ピオニーを咥え込んでいる箇所がひくひくと蠢く。
手の動きに合わせてゆっくりと揺さぶると、「あ、アアッ」と切羽詰った嬌声があがる。
ゆっくりと抜きながら、浅い場所の凝りを先端で抉るようにして突き入れる。
「ひゃっ、はっ、アアアぁっ、やっ、ピオッ!!!」
背を撓らせて、縋るために掴んだピオニーの腕に爪を立てガイは再びピオニーの掌に射精する。
きつく痛いほどの締め付けに、思わず小さく呻きながらやり過ごす。
はあはあと荒い息をはくガイに覆いかぶさり、口付ける。
先ほどと違い、戸惑う事無くピオニーの舌を受けれて、自ら進んで絡め出す。
達したばかりで頬は紅潮し、玉の汗を浮かべ、青い目はとろけていて。
強烈な色香を発するガイに、ピオニーは理性の限界を知る。
「すまんな」
と一言謝ると、ガイの膝を抱えて容赦なく腰を打ち付けた。



窓からピオニーの寝室に差す光は青白いものとなっている。
「し、信じられません。初心者あいて、に」
喘ぎすぎてかすれた声でガイはピオニーを睨む。
だがそれはどこか甘えたような、拗ねたような響きを多く含む。
「俺のガイラルディアが可愛いからなあ、仕方ない」
にこにこと快活に笑うピオニーに、やれやれと溜息をつく。
その口を軽くピオニーが塞ぐとガイは恥ずかしそうに目を伏せる。
「恥ずかしがりやな所はなかなかなおらないな」と笑って、もう一度キスを落とした。




匿名さまより「ピオガイが読みたい」とのリクエストでした。
ピオガイを書けて凄く凄く嬉しかったです、ありがとうございますー。
フリー配布となります

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