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フリリク第二弾
JG(モブ×G要素含む) 後編
「参ったよ」
拘束をとかれ、衣服を整えて、ジェイドの手を借りて立ち上がると、虫の息状態の男達に目をやる。
「あなたらしくありませんね。このような場所に連れ込まれるとは」
少し苛立ちを含ませたジェイドの言葉に、ガイは肩を竦めてみせる。
「子供がさ、『ぼくの友達をわるいおじちゃんがつれてった。助けて、お願い』って泣いて俺の腕をぐいぐい引っ張るんだぜ。
付いていったら、その子はわるいおじちゃんの子供ってオチだったけどな。
ま、警戒心が薄かったのは確かだな」
男達に奪われ、転がされたままの自分の剣をとって腰に差す。
そしてジェイドに向き直って笑顔を向ける。
「ありがとう、ジェイド。助かったよ」
ガイの態度にジェイドは僅かに秀麗な眉を寄せる。
本当にどこまでも子供に甘い、と知らず溜息を漏らす。それは彼の美徳である筈なのに、私がそれを悪徳と捉えるのは、認めたくはないが妬心というものであろうか。
「さて、こいつらどうする。この街の警備兵に突き出すか」
「その手配はつけてあります。もうすぐこちらに着く頃でしょう。ただ、事情聴取で拘束されるのはまっぴらですので、このまま去りましょう」
「え、いいのか」
戸惑うガイに背を向けて、さっさと歩きだす。
ガイは転がっている男達を一瞥する。全治、三ヶ月ってところだろうか。当分悪さも何も出来はしないだろう。後日改めて聴衆されればいいか、とガイはジェイドの後を追った。
小走りになって漸くジェイドと肩を並べて歩くことがかなう。
不機嫌を滲ませているジェイドに、少しばかり声をかけるのを躊躇う。
今日は各々自由に行動する事となっていた。
ルークとティアとミュウは買い物に出掛け、ナタリアとアニスは仲良くケーキバイキングに出掛け、そして俺とジェイドは。
ガイは朝食後、恋人になってからは珍しくもなくなった穏やかな微笑を浮かべたジェイドから、誘いを受けたのだ。
所謂「デート」というやつを。
そして同じ宿に宿泊しているというのに、「外で待ち合わせしましょう。そのほうが「デート」らしいですから」とわざわざ時間をずらして出る提案までしてきた。
待ち合わせ場所に向かう途中で、男達の策謀で拉致られてしまった事で、そのデートは台無しになってしまった。そして今から自分が言うことも、ジェイドの機嫌を一層損ねそうだ。
そのためガイは躊躇ってはいたが、意を決してジェイドに願いを口にする。
「なあ、ジェイド、悪いが一度宿に戻っていいか」
「……そうですね。一度、シャワーを浴びたほうがいいでしょうね。
しかし宿までは距離があります。あそこはどうでしょう」
ガイ達が宿をとっている処は、今立っている場所からはかなり距離がある。通りを挟んだ建物は宿らしい。
薄汚い路地裏で半裸になったのだ。とにかく早く身体を洗いたい気持ちが勝り、ガイはジェイドの提案に首を縦に振った。


脱衣所で泥がついた服を脱ぐと、そのまま浴室へと向かう。着替えをどうしたもんかな、と湯を張りながらガイは思案する。
目敏いアニスは衣服の汚れに声を上げて指摘するだろう。そうなると、以前とは打って変わって心配性のルークが「ガイ、何かあったのか」と悲痛な面持ちで問い掛けるだろう。
しかもガイが嘘をつけない上目遣いをして。それは大層困る。
第一この服じゃ、身体を洗った後、外を出歩くのも躊躇われるしな。
旦那には申し訳ないが、衣服の調達か、宿屋に取りに戻ってもらうか、どちらか彼の良い方を選択してもらおう。
ガイがそのような思案を巡らせていると、浴室の扉が開かれた。
ぎょっと驚きで目を見張るガイに構わず、キラキラと光を撒き散らすような笑顔を浮かべたジェイドが立っていた。
「な、な、ジェ、イド?」
「身体を洗うお手伝いをしようかと」
「え、い、いや。大丈夫」
「まあまあ、そう言わずに」
にじりにじりと、距離を詰められて、思わずガイは後ずさる。幸い、何故か広い浴室だ。距離を詰められる前にジェイドの悪戯心をなだめようと、ゆっくり後退しながらガイは必死で言葉を紡ぐ。
だが、ジェイドは笑顔を一つも崩さずに「私の親切を無下にしないでください」を繰り返す。浴槽に身体があたって、逃げ場を失う。
そっとガイの頬に、白く長い指が触れる。いつもは冷たい指先が、今日は子供のように熱い。
穏やかな声でジェイドはガイに問い掛ける。
「あの男は貴方のどこに触れましたか」
その言葉で、ガイは先程までジェイドを覆っていた不機嫌の原因を知る。
「顎と、太股と、あとは言いたくないな」
素直に応えると、ジェイドはペロリと瞳と同じ赤い舌でガイの顎を舐める。
「消毒です」
「え、まさ、えっ、ジェイド」
切羽詰った声がガイの口からあがる。それに頓着する事無く、ジェイドは膝をついて、ガイの性器を口に含む。
「やめっ……あッ、…ジェイドッ!!」
髪を掴んで離そうとするが、力が入らない。暖かく柔らかな粘膜に敏感な部分を吸ったり舐められると、ガイはすぐに昂ぶる。それを追い立てるように、裏筋に舌を這わせ、口をすぼませる。
「ジェイド、……ッン」
甘い吐息と共に、濡れた声で名を呼ぶ。制止を目的としてジェイドの髪に差し込まれたガイの指は、今はまるで縋るように震えながら必死でしがみついている。
膝ががくがくと震え、内腿が痙攣を起こす。先走りの露は絶え間なく溢れ、それをジェイドが舌先で掬い上げる。
一気に絶頂へと高められた時、ジェイドの口が離れる。え、とジェイドを見ると、今度は絶頂前で痙攣していたガイの内腿を優しく舐め始めた。
あと少し、というところで放り出され、呆然とするガイを余所に「さあ、消毒は終わりです」と、先程の、キラキラしたものを撒き散らす極上の笑顔を見せる。
「な、あ、ジェ、ジェイド」
のぼせたように思考が散漫なのは、ああ、そうだ、止めることを忘れてしまったため、浴槽から溢れ排水口へと流れ続けている湯にあてられているからだ。
先程までねぶられていたため、腰から苛烈ぎる快楽が脳を絡めとってしまったからだ。
そしてなにより、相手がジェイドだからだ。
誰に聞かせるわけでもない言い訳を胸の内でガイは並べて、それから蕩けて潤んだ目でジェイドを見つめると
「ジェイドが欲しい」
と、甘くねだった。



ぐったりとベッドで身体を投げ出しているガイの思考が漸く理性を取り戻してくる。
おかしい。絶対おかしいよな。
何故、風呂があんなに広いんだ。
何故、風呂にあんないやらしい用途のできる椅子があるんだ。
何故、風呂にオイルが常備されているんだ。
何故、風呂にあんなデカイマットが備え付けられているんだ。
何故、当然のようにベッドが一つで、そして三人は一緒に眠れるほど大きいんだ。
何故、そのベッドの枕元には「明るい家族計画」とパッケージされたアレがあるんだ。
どう考えても、ココはフツーの宿屋じゃないよな!!!!
満足そうに微笑んでいるジェイドに、ガイは恨みがましげに視線を送る。
それをふっと笑うと、ベッドの端に腰掛けてガイの髪に指を入れてゆっくりと掻く。
優しい指の動きに、ガイの怒りはあっさりと宥められる。
掻きながら、ジェイドはガイに問い掛ける。
「あの時、あなたは冷静でしたが、何か勝算はあったのですか」
自分が少しでも遅れていれば、と仮定するだけでも、血が沸き立ち、殺人への衝動が抑えきれなくなる。
「あったよ」
ジェイドの指に身体をまかせて、ガイはうっとりした面持ちで目を閉じる。
「それは?」
詳細を促すと、眠気が訪れているのか、気怠そうな声で
「旦那が…来てくれる、という、絶対の…勝算……がね」
途切れ途切れに話す。
その言葉に、ジェイドは虚をつかれたように、呆然とガイを見下ろす。
止まった指の動きに、眉を寄せて、ん?という風にガイが細く目を開くと、触れるほど近くにジェイドの顔が迫っていた。
紅い瞳は、どこか嬉しげで、それを見て安堵して再び目を閉じて、眠りの沼へと身を落としていく。
柔らかなものが唇を掠めているのを感じながら。





ショウ様からリクエストを頂きました。
『モブ×ガイ→ジェイガイ ジェイドがガイを助ける、的なもので最後ラブラブ』 
モブが白光騎士団でも、でしたが、すみません、チンケな集団になってしまいました。

相変わらず私の書くジェイガイは偽物くさいと申しますか、色々おかしな点がございますが
凄く楽しく書かせていただきました。有難うございます。

どうでもいい事を書きますと、油を取りに行っていた男は、ちょうどジェイドの秘奥義発動に遭遇して
顔面蒼白になり、自ら出頭して「蒼い服の軍人に殺されるくらいなら、なんでもしゃべりますから。助けてください」と
泣きながら保護を申し立てます。ここまで書いたら長いのでぶった斬りました。

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あきゅろす。
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