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小話
けもの JG
もうシーツを握る力も残されていないのでしょう。
シルクのシーツの上で、何かを掴もうとする形のまま何度も滑っている。
何かに縋りたいならば私の腕でよいではないですか。私の首に背に腕を回せばよいではないですか。
なのにあなたは頑なに私の方を向こうともしないで、獣のような格好で私を受け入れるのですか。
あなたにとってこのような体勢は屈辱以上の何物でもないでしょうに。
そんなに見られたくないのですか?
淫蕩に快楽に溶けきったあなたの顔を。


女と違い、柔らかな場所があるわけではない。
骨ばって、抱き心地もけしてよいわけではないのに。
なのに、あなたの身体はどこまでも私を夢中にさせる媚薬のようだ。
背筋に唇を這わせるだけで、理性も倫理もあっさり溶かされ、私はただの獣になってしまう。
だからあなたも獣になってください。
何も考えなくてよいのです。確かなものはここにあるのです。


あなたもそうなのでしょう。
私の身体の下でこんなにも蕩けている。
必死に声を押し殺しても、口の端から艶のある甘い声が漏れていますよ。
目尻を流れる涙は苦痛だけではないのでしょう。だって、ほら、舐めるとこんなにも甘い。
あなたの下肢から出る熱い迸りも、こんなにも私を熱くさせる。ああ、でも、出しすぎましたか。
すっかり色を失くしてしまいましたね。
身体を震わせて、切なげに眉を寄せて達するあなたの顔があまりに淫らだったので、我慢がききませんでした。
深く抉ると、あなたの腰が淫らに揺れる。あなたの些細な仕草が私をこんなに熱くさせるのです。


だから、ガイ。私に素直に縋って、泣き声と嬌声を素直に吐いて、そして素直に気持ちを口にしてください。
ああ、でも、獣になってしまった私は、もっと我慢がきかなくなるかもしれません。
これ以上にないくらいにあなたを貪っても、まだ足りないのです。あなたの全てと共に溶けて、一つになりたいのです。




昔メールで人様にさし上げた話のリメイク
3年くらい前ですが、昔のほうがね、うまいよね……

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