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リクエスト小説
リクエスト9
公爵×G前提でグランコクマでのGの性生活(匿名様)
※ピオニー×ガイ


ガイの朝は早い。
公爵家で働いている頃から欠かさないでいる早朝の剣術の鍛錬を終えて、シャワーを浴びてから宮殿に向かう。
部屋付きメイドに朝の挨拶をかわして、陛下の私室の扉を叩く。
返答は当然ない。許可は貰っているので、音を立てずに扉を開けて中に入る。
窓のカーテンを開けて部屋に朝日を取り入れる。
それからゆっくりとベッドに向かう。
ブウサギの世話を任命された後「ついでだ。朝起こしてくれ」と皇帝陛下の起床係も任命されてしまったのだ。
ベッドの上の膨らんだ塊に優しく声をかける。そうではないと返事をしないからだ。
優しく声を掛けないと俺は起きないからな、とルークでも言わなかったような事を30代後半にもなる皇帝陛下は言ってのけた。
冗談だと思ったら本当にその通りだったため、ガイも仕方なく子供を起こす母親のような気持ちで毎朝この任務を全うしている。
「陛下、おはようございます。今日もよい天気ですよ」
返事がない。優しく声をかけたつもりだったが。
少しばかり逡巡するが、仕方なく掛布を頭まですっぽり纏った塊に触れる。触れた瞬間、ベッドの下から
「びっくりしたか、ガイラルディア!」とピオニーが顔をだして声をかける。
匍匐前進しながら這い出てきた。
はあ、とため息をはいて、掛布をめくると、そこには御丁寧に部屋中のクッションや枕が積まれている。
「ええ、驚きました。陛下の精神年齢の低さに」
「ああ、俺の可愛らしいガイラルディアが鬼畜眼鏡の悪影響を受けてしまった。嘆かわしいなあ。
悪いことは言わん。あの悪魔と遊ぶのはやめておけ」
衣服の乱れを手で整え、笑いながら幼馴染であるジェイドを酷く扱き下ろす。
「ルークでもこんな悪戯はしませんでしたよ」
「ガイラルディアはすぐ他の男と俺を比較するなあ。恋人なのにそれは無いだろ」
ガイは、うっと言葉に詰まる。
ピオニーは「全世界の女性が大好きです」と公言して憚らず、女性全般に無節操に口説いているようで、その実一度恋情を抱くと相手に誠実で真摯な態度で臨む。
初めはそれが判らずに「ガイラルディアが好きになったんだが」といきなり告げられて、ガイも冗談だと受け取っていた。
だが、日が進むにつれて、冗談ではなく真面目な告白だった事に気づいた時には、もう後戻りが出来なくなっていた。
ピオニーはきちんとガイの退路を用意していた。
「俺は振られ慣れているから心配するな。断ったからってお前を蔑ろにする程ケツの穴も小さくないからな」と笑ってガイに告げた。
退路はきちんと用意されていたのに、ガイは差し出された手をとった。
彼の手をとった理由を後からガイは考えてみたが、早々に考える事を放棄した。
皇帝陛下という地位にありながら、子供のように無邪気かと思えば大人の冷静な分別もある。強引なくせに無理強いもしない。
どこまでも陽性な性格で、10以上も年下に思い切り甘えるかと思えば、包み込んでどこまでも甘やかすのが好きな男。
相反する性質を矛盾なく内包する男のどこに惹かれたのかと考えても、おそらく答えは出てこないと考えたからだ。
ただ確かな事は、差し出された手をとった時に胸に広がった優しく暖かな気持ちは、まさしく恋心というものだった。


「では、ガイラルディアに罰を与えよう」
「またブウサギのトリーミングですか。三日に一度はやっていますよ」
「俺の本日午前の予定は入っていない」
そうだったろうか、とガイは記憶の糸を手繰り寄せる。
「そしてお前の予定もない。
ブウサギの世話は今日は別の者に任せている。メイドはガイラルディアが部屋に入ったら下がるように言いつけてある」
朝の挨拶をした時、メイドが意味ありげなからかいを多く含んだ視線をガイに向けてきた意味がようやく理解する。
「だからお前の午前の時間は俺のものだ」
「それが罰ですか?」
「あと、カーテンは開いたままな」
「それ……んっ」
ガイの抗議をピオニーは口で塞いで、言葉を吸い上げる。
一度離れて、また優しく唇を重ねる。
官能を呼び覚ますための口づけではなく、眠りにつく前の子供に母親が与えるような優しさだけが篭められた触れ合い。
それなのに、とガイは、触れられた唇からじわりと熱があがっていく錯覚に陥る。
いや、錯覚ではないのだろう。事実、子供のするような口づけでガイの頬は紅く染まっている。
経験が皆無というわけではない。数年に渡って赤い髪の主人と身体を重ねていた。
強要され、復讐という目的のためならばとガイは割りきって身体を開いた。
快楽に馴れた身体は、相手を悦ばすために腰を揺らめかし、嬌声をあげるようになったが、心が揺り動かされる事は一度もなかった。
だが、心を通わせた相手ならば、子供をあやすような口づけだけでもこんなにも胸が高まり熱くなる。
何度も啄むような口づけを交わしていた唇がようやく離れると、今度は額をくっつけ合わせると、ピオニーは子供のように無邪気に笑う。
「夜だと照れたガイラルディアの顔が拝めないからな」
無理に午前に予定を空けさせたのはそのような理由だとわかると、生真面目なガイはがっくりと肩を落としたくなる。
もっと言えば、ピオニーの幼馴染で、自身の旅の仲間であった軍人から次に会った時にからかわれるのは確実で、何を言われてるのかと思うと泣きたくもなる。
だが惚れた弱みとでもいうのか、これからは灯りをつけるのを三回に一度くらいは許そう、と胸の内で対策を講じて、「本当に仕方ありませんね」とガイが笑う。
とても嬉しそうに。


身体の奥に差し入れられた指の動きに翻弄されて、ガイは絶え間なく甘い嬌声を上げ続ける。
ガイの首筋から鎖骨へと這わせていた舌はゆっくりと胸の突起へと向かう。
紅く尖った胸先を舌で転がし吸い上げると、快楽に溶けた声はより高くなる。
空いた掌はガイの勃ち上がったモノを包み込んでゆっくりと擦り上げている。
ピオニーは舌と手を使って、ガイの全身をくまなく愛撫する。
「あっ……ああっ…も、んっ…へい…かぁ…」
蕩けた甘い声で喘ぐガイの言葉に、ピオニーは転がしていた胸の突起に軽く歯を立てる。
その刺激に背をしならせるガイに、ピオニーは「陛下じゃないだろ、ガイラルディア」と拗ねたような声を出す。
名前を呼べよ、と何時もよりも低い声で囁く。
それに呼応するかのように、指を押し曲げある箇所を擦るように激しく動かし、扱く手を速める。
「あ、あ、あ、っつ……」
絶頂が近いのか、切羽詰った声をガイがあげると、ピオニーは耳朶を唇で挟んでから囁く。
「ほら、名前」
眉根を寄せてきつく閉じていた目を開く。蒼の瞳は快楽に蕩けて揺れている。
「ピ…オに…」
昂ぶる熱に翻弄されながらも、恥ずかしそうに囁くように名を呼ぶ。
頬の赤みが増して、耳まで赤く染め上げているガイへの愛しさが増したピオニーは、絶頂へと促すために裏筋を刺激する。
「はあっぁぁあ」
身体をビクビクと震わせてながら、熱い迸りで腹を白く汚す。
ガイは肩で息をしながら、ぐったりと身体の力を抜いて快楽の余韻に浸る。
髪を優しく撫でながら「出すときのガイラルディアの顔は可愛いなあ」と上機嫌な様子だ。
ガイは羞恥でこのまま小さくなって溶けてしまいたくなる。
髪を弄っていた指が、耳の形を象るように優しく撫でる。その動きに促されるように、ガイはピオニーを見ながら微笑む。
顔を近づけてくる褐色の肌をした恋人は、先程までは飼い主にじゃれる大型犬のようだったのに、今は肉食獣の獰猛さを潜めた瞳になっている。
先程までとは違い、貪るような性急な口づけにガイは翻弄される。
「んっ…」
鼻から抜ける声は甘く誘っているようだ。舌をからめ、吸い上げ、口内をまさぐられる。
一度達した身体に火がつくのは早い。
口付けの先を強請るように、ガイはピオニーの背に腕を回して身体を密着させる。
どうせなら言葉で甘く強請ってほしいんだが、と内心ピオニーは小さく苦笑いする。
これがガイの精一杯だともピオニーは理解している。
いつも周囲との調和を気にして、笑顔を絶やさずにソツなく立ち回る。そのため自分の感情を出すのはいつも後回しだ。
なかなか自分の願いを口にしないガイが、漸くこの頃仕草で強請ってくるようになった。
その僅かだが確かな前進がピオニーには嬉しい。
恋人のささやかなおねだりを聞き入れるべく、先程まで十分解しておいたそこに、自身を充てがう。
腰を小刻みにすすめると、きつく締め上げながらも受け入れていく。
ガイは圧迫感に身体を震わせながらも、縋るように回した手に力を篭める。もっと奥までピオニーを感じたくて。
根元まで受け入れた時に、ガイはほうっと息を吐く。
少しばかり苦しそうに顔を歪ませながら、ピオニーは「やばいな、ガイラルディアの顔が見られるのはいいが」と一度言葉を切る。
ん?とガイは小首を傾げて、自分を貫いている恋人を見上げる。
「煽られて我慢がきかなくなるな」と言うと、ギリギリまで引き抜き、内壁を擦るように激しく最奥まで打ち付ける。
身体をしならせて声にならぬ甘い悲鳴をあげる。
激しい律動でガイの体内を穿ちながら、何もかもを吸い取るように舌を絡める。
息をうまく継ぐことが出来ずに、ガイの口のはしから唾液が溢れる。それを舐めあげて、また口内を貪るような激しい口付けを交わす。
喰われてしまいそうだ、とガイは快楽に濁った思考でぼんやりと思う。内臓を突き破らんばかりの激しい勢いの律動と、全てを喰らうような口付け。
でもこの美しい褐色の獣に喰われるのなら、それは凄く幸せそうだ。
汗ばんだ広い背に回した腕に力を篭める。もっと。もっとあなたが欲しいと、強請る。


「あー、やっぱり俺のガイラルディアは可愛いなあ」
さっぱりした晴れやかな表情でピオニーは言い放つ。
ぐったりと力の入らない身体をベッドの上に投げ出したガイは返事もろくに出来ていない。
「ま、夜の暗闇でのガイラルディアもかわいいぞ。月明かりでもわかるくらいに頬を赤らめて」
かすれて声が出ないかわりに、ピオニーの衣服の端をつまんでグイグイ引っ張る。
恥ずかしいからそれ以上言うな、という意味合いだったが、ピオニーは別の意味で受け取った。
「なんだ?四回戦のおねだりか?もう昼近いから、続きはまた夜な」
夜?散々やっておいて夜もまたやるきなのか!!
ガイが慌てて訂正すべく顔をあげるとキスの嵐が降ってくる。
「ち…が……」
「夜までゆーっくり寝てていいぞ。じゃ、執務に行ってくる」
片手をあげて扉の先に消えたピオニーの誤解をどう解けばいいのかわからず、ガイはベッドの上で呆然としてした。



匿名様よりリクエストを頂きました。有難うございました。
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