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リクエスト小説
リクエスト3
リク内容
公爵×G前提公爵との関係もありJ←Gと思うGだが実は両想いなJG裏



マルクトに戻り、グランコクマに居住を構え、爵位と領土を賜り、何故か陛下の身の回りの世話に明け暮れる日々を過ごしていた。
この地に知り合いなど片手で数える程なので、自然とジェイドと二人で酒を飲む事が多くなる。
ある日、いつものように俺の部屋で二人で夜中に酒を飲んでいると、ジェイドがとんでもない事を口にした。
「私に抱かれてみませんか」
あまりにあっさりと。凄い事を言っているのに、明日釣りにでもいきませんか、くらいの気軽さだった。
咄嗟に反応できずにポカンとジェイドを見返すしか出来ずにいた俺に、尚も言葉を重ねてくる。
「本気ですよ」
冗談を言っているわけではない、とわざわざ明言してくれたのはいいが、どう応えていいのか少しばかり逡巡する。
だが、ジェイドに密かに恋心を抱いていた俺は素直にそれに従う。
酔っ払ったジェイドにとっての一夜の過ちでもいい。それでもいいから、俺は目の前の男が欲しかったのだ。
秀麗な顔がちかづいてきて、それに応えるように目を伏せて唇を重ねる。
ジェイドとの初めての夜はそんな風に始まった。
男に抱かれる事が初めてではないのは解っただろうが、その相手についてジェイドは冗談めかしてでも触れてはこなかった。
一夜限りだと思ったが、何の酔狂なのか、それからも身体の関係は今に至るまで続いている。
モテるジェイドからすれば単なる戯れかもしれないが、俺は片恋の相手と身体を繋げるだけで幸せだった。
だが、幸福を感じれば感じるほどに、過去の情景が夢となって俺を苛む。
大した反応も示さない人形のような俺に、執拗に関係を強要してきた血のような赤い髪をもつ男。
長い関係のうちに身体は意志とは関係なく腰を揺らめかして、律動に合わせて嬌声をあげるまでに成り下がってしまった。
夢はその事を詳細に再現して、俺の心を酷く痛める。


その時、肩を揺すられて意識が覚醒する。
急に開いた視界はぼやけたが、すぐに像を結ぶ。
目の前には赤。だが、夢で見ていた忌わしい赤ではない。
「うなされていたようですから」
赤い双眸を細めて柔らかく笑みを向ける。軍人らしからぬ細く白い指が汗で額に張り付いた髪をはらう。
優しい仕草に気持ちがよくなって目蓋を閉じる。
張り付いた笑顔に人を食ったような言動、本心が掴めず、人を必要以上に立ち入らせないものを常に纏っている。
だが、一度懐に入れてしまうと驚く程に優しい。
身体だけの関係でも、普段の態度からは考えられない気遣いをみせる。
ジェイドの恋人になれる子は幸せだろうなあ。
ぼんやりとそんな事を考えていると、いつもの喰えない笑顔を讃える。
「私の顔は見惚れる程ですか」
彼の冗談に応えずに、ジェイドの首筋に顔を埋めながら問いかける。
「明日の予定は?」
「半休です。午後から会議に出席しなければなりません」
「なら」
首に埋めていた顔を少しずらして、鎖骨に軽く歯を立てる。
「もう一回やろうぜ」
「どうせならもっと艶めいた誘いをお願いしたいですね」
顔をあげると、滅多に見る事のない柔らかな表情で俺をみているジェイドがいる。
身体だけでも構わない。それだけでもこんなにも幸せなんだから。


一度開いた身体は、そう手間をかけずとも受け入れる事が出来る。
だが、執拗なまでに指を抜き差しされ、胸の突起を舌で嬲られ、喉からはひっきりなしに嬌声があがる。
「ひっ……ぁ…っつ!やめっ……ジェイ…ド」
前と後ろからの刺激に、先端からダラダラと蜜を零す。
「指よりもジェイドが欲しい」快楽に理性が捩じ込まれ、普段なら恥ずかしくても言えない言葉が口から溢れ出てくる。
身体の奥にジェイドを感じたい。
仕方ありませんね、と子供をあやすような口調で、先端が宛がわれると、期待に知らず腰を揺らめかせる。
身体を押し広げていく感覚に「……あっ…い…いい…」の喉を反らしながら受け入れる。
押し入る肉の熱さに身体中が熱く痺れていく。
根元まで入ると「あぁ…」と満足げな声が思わず漏れる。
ジェイドの首に腕を回してキスをせがむ。
ジェイドは上体をかがめてそれに応える。欲望に希薄そうな顔をしているくせに、行為の最中のジェイドの口付けは激しい。
音を立てて舌を絡めて、零れる唾液さえも吸い取られる。
クラリと酸欠を起しそうなくらい激しい口付けに翻弄されていると、緩やかに腰を進められて、背筋に快楽がはしる。
律動に合わせて鼻から漏れる息は甘い。
顔が離されると同時に激しく突き上げられて、思わずジェイドの腕に縋る。
快楽が一瞬にして身体を駆け抜け、俺の欲望が痛いくらいに張り詰める。
縋ったジェイドの腕に思わず爪をたてて、激しい熱の波をやり過ごそうとする。
それを嗤う様に、張りだしたところをあの部分に擦るように動かされると、かぶりをふって抵抗する。
「やあ…っ……ああっ…」
まだあんたを感じていたいんだよ。繋がっている間は俺はあんたのもので、あんたは俺のものだ。
肌を合わせ、熱を共有して、相手を求めて求められて、一緒になって溶け落ちてしまいそうな。
最奥を穿つように突かれると、背をしならせて快楽に堪える。
ベッドの軋む音と、肉のぶつかり合う音、イヤらしい水音と絶え間なくあがる俺の甘い声。
聴覚さえ快楽に犯されて、何も考えられなくなる。
快楽が頂点に達した時「ジェ…イド」と名を呼んで果てた。


情事の後の気だるさは全身を纏っている。
身体は睡眠を求めているが、頭だけは妙に冴えわたってしまっている。
何故なら、うつ伏せになって枕に顔を埋めている俺の髪をジェイドが撫でているからだ。
妙に照れくさくて、顔をあげる事もできなければ、眠気も訪れてこない。
「恋人でも過去の詮索は不要とわかっていますが、貴方の夢見の悪さが過去に起因するのならば少しは力にならせてください」
優しげにそう言われ、ピクリを身体を揺らす。
「え?」
今、ジェイドは何と言った?恋人?
枕に埋めていた顔を動かしてジェイドの方を向く。
「誰と誰が恋人だって?」
その言葉に、髪を撫でていたジェイドが顔を強張らせて固まる。
「もしかして俺とジェイド?」
はあっとこれみよがしに盛大な溜息をジェイドが吐く。
「初めに言ったでしょう。本気ですよ、と。あなたも応えたじゃないですか」
「いや、俺はHするって提案が冗談じゃないという意味だと思った」
「言葉が足りませんでしたかね。「貴方に本気ですよ」という意味で言ったのですが」
やれやれといったふうに額に手をあてて、また溜息を吐く。
思わず全身の力が抜ける。
なんだ俺、盛大な片思いだと思ってたんだが。
「肝心な事をはっきり言わない悪い癖はなおしたほうがいいと思うぞ」
「こればっかりは性分ですからね」
「そのせいで俺がどれだけ……」
「どれだけ?」
先を促すようにからかうように問いかけるが、悔しいので言葉にしない。
「もう少しわかりやすい言葉で言ってくれよ」
「わかりやすいですか。例えば?」
「は?いくらでもあるだろ。好きだとか、愛しているだとか」
瞬間、にこっと珍しく腹の底から楽しそうな笑顔をみせる。
その笑顔の意味がわかり、頬が瞬間赤くなった事を自覚しながら喚く。もうやけくそだ。
「いや、俺はたとえで……ああもう、わかった。
あんたの事好きだ!愛している!コレで満足か」
「ええ、満足ですよ」
笑いながら軽いキスをされる。
「私も貴方の事を愛していますよ」




匿名様より頂きました。リクエスト有難うございました。

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