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10万企画小説
無邪気ルーク×隠れビッチ淫乱ガイ 後編
翌朝、ベッドから起きたルークは呆然と窓の外を眺めている。
まさか、とルークは自分の耳と目を疑いたくなる。
昨日の夜の月はくっきりとした輪郭で、雲もたちこめてはいなかった。
だから今日は晴れだと信じて疑わなかった。だが。窓を叩く雨の勢いは凄まじい。
「こりゃ、今日の出立は無理だな」
背後からかかるガイに、ぴくりを肩を揺らす。
「う、うん。皆、下で集まってるかな。色々話そう」
顔を見ることが出来ず、そのまま扉に向かう。二人きりだとどんな顔をしていいのかルークはわからずにいる。
一階に降りると、ロビーのソファに皆腰掛けて、何やら話している。
「おっそーい」
二人の姿を真っ先にとらえたアニスが、口をとがらせる。
「わりい。で、どうすんだ」
ジェイドが眼鏡を指で押し上げながらルークの問に応える。
「この雨で峠を超えるのは、少し無謀でしょうね。イオン様もいらっしゃいますし」
「すみません」
申し訳なさそうにするイオンに、アニスが「私だって、この雨の中トクナガで戦うのはちょっと厳しいですよぉ」と言葉をかける。
「おそらくあと2日程は雨が続くでしょうね。それまではここで宿をとり、英気を養いましょう」
ジェイドの言葉に皆、頷く。
「では、雨が上がったら出立となります。少し強行となるでしょうから、今はゆっくり休んでください」
そう告げるとソファから立ち上がる。そのまま部屋に戻ろうとするジェイドの後を追い、声をかける。
「ジェイド!あ、あの、部屋…」
替わってもらえないか、という言葉は、喉に引っかかって出て来なかった。
「部屋がどうしました?」
「あ、…いや、なんでもない。悪かったな、呼び止めちまって」
「いえ」
ジェイドは再び背を向け歩き出す。
「部屋を替わって欲しい時はいつでもどうぞ」
と告げられた言葉に、ルークは弾かれたように顔をあげ、その背を見つめていた。


**********


ざあざあと雨は音を立てて降り続ける。
女性陣とイオンはホテルから傘を借りて、買い物に出かけた。
ジェイドは部屋に篭って本を読んでいる。
ガイは椅子に座り、剣の手入れをしている。
そしてルークは、ベッドの上で寝転んでいた。
部屋を替わってくれ、ってなんで言えなかったんだろう。
二人きりでいるのは気まずい。だけど、ここで離れるのはよくない。
理由はわからないが、本能がそう告げている。
椅子を引く音がして、ルークはがばっと身体を起こして、音の源を見る。
立ち上がったガイが部屋を出ようとする所で、思わず
「どこ行くんだよ」
ときつい調子で声をかける。
その声に、肩越しに僅かに振り返る。
「おっと。起きてたのか」
「……どこ行くんだよ」
ベッドから飛び降りて、ガイとの距離を詰めながら、再度同じ言葉を投げる。
「刃を研ごうとしたのはいいが、砥石が見当たらなくてな。ジェイドの荷物にまぎれているんじゃないかってな」
「あ、あ、そう」
「なんだあ、もしかして心配したのか」
「心配じゃねえよ!!…………けど、でも」
もごもごと口籠るルークに、ガイはやれやれと言う風に腰に手をあてて、ふっと息をつく。
「ジェイドと部屋を替わってもらおうか。ちょっとお互いの気持が落ち着くまで、な?」
子どもに言い聞かせるように優しいその物言いに、ルークは反発する。
「あんなの見たくらいで、俺がっ、動揺するわけないだろ」
バレバレなのはわかっていながらも、虚勢をはらずにはいられない。
だいたいジェイドだって、あの時はすごく怒ったけど、それからは至って普通に接しているし。俺だって。
妙な対抗心で強がってみせるルークを、面白そうにみているのをガイは隠しもしない。
「ふーん」
「ふーんじゃねえよ!あんなの大したことじゃ」
「じゃ、試してみるか?」
「は?」
目を丸くするルークに、ガイはいたずらっぽく目を細める。ルークの耳元に口を寄せ、挑発するように囁く。
「大した事、ないんだろ?」


*********




じゅぶじゅぶと音を立てながら、ガイの口内でしゃぶられたソレは、すぐさま硬くそそり立った。
人から与えられる快楽にうち震える。無骨な自分の掌と違い、そこは暖かく濡れていて性器をすっぽり咥え込んで、舌でねぶる。
ルークは息を弾ませて、自分の下肢を見下ろす。と、咥えているガイと目が合う。
下半身が痛いほどに疼く。それはよく知る感覚で、思わず腰を引いた。
ちゅぽっと音を立てて、ガイから離れた性器は、先走りと唾液で濡れ、浮き上がった筋が脈動している。
「どうする?やめるか?」
唇の端から溢れていた唾液を指で拭いながら、ガイは意地悪く問いかける。
ぎゅっと唇を噛み締めるしかないルークは、力なくかぶりを振るしかなかった。
「じゃ、仰向けになって。お前は何もしなくていいから」
優しい声、優しい言葉、優しい笑顔。なのに何故、こんなに胸が痛くなるのだろう。
言葉通りに横たわると、ぎしり、とベッドが大きく軋む音がする。
ルークを跨ぐようにベッドに膝をつくガイは、ルークの立ち上がった性器の根元に手を添える。
ゆっくりと腰を落としていく。
敏感な先端が熱く濡れている箇所にあてがわれると、次にはぬるりと咥え込まれる。
だが、きつい締めつけに未成熟な性器は痛みを感じ、う、と唸る。
じりじりと熱くしめつける中に入り込んでいく。
痛い程にきつく、狭く、そして熱い。
ずぶりと根元まで包まれると、初めて知るその喩えようもない快楽に、きつく瞑った眼の奥で白く何かが点滅した。
今度は小さくガイが呻く声が、上から降ってくる。
ばくばくと痛いくらいに早く打つ心臓と、せわしない荒い息。そして震えながらびゅくびゅくと内部を濡らしている精液。
入れた途端に。その事実に打ちのめされる。ルークはかあっと顔を赤くし、益々きつく目を瞑る。
「濡れてやりやすくなったよ」
ガイの慰めの言葉を、今は聞きたくはなかった。


「じゃもうおしまいにするか」
まるで子どものお遊戯の終わりのような、そんなガイの言葉に、しょぼくれそうになったルークに火がついた。
「まだ、だっ!」
突き上げるように腰を動かせば、先ほど放った精液が中をぬめらせ、抽送を助ける。
再び脳を揺さぶられるような快楽に、若い性は再び硬さを取り戻す。
ん、と小さく呻いて眉を寄せるガイを見上げる形で、ゆさゆさと下から揺さぶる。
だが、硬いベッドの振動を利用しても思うように腰を動かす事が出来ない。
もどかしさに顔を顰めるルークに、ガイは微笑む。
「お前は何もしなくていいって言ったろ」
そう言うと、ガイが腰を揺らめかせる。
思わずルークは息を詰める。
腰を前後に、左右に、上下に、激しく動かす。そのたびに柔らかな肉がルークの性器を締め付ける。
挿入の快楽を遥かに凌駕する快楽に、脳も、そして身体もついていかない。
「が、ガイっ、や、っ…」
背をのけぞらせていたガイが、今度は上体をゆるく折る。
ルークの顔のそばに両手をついて、前後に揺さぶる。繋がった所から、ぬぷぬぷと卑猥な音を立てる。
目がくらむような快楽に、ルークは切なげな声をあげる。
だが、それはガイも同じで
「……、はぁっ、あ、あぁ……ッ……んッ」
と、ルークが聞いたこともないような甘い声をあげながら、何か堪えるように眉を寄せて耐えている。
視線を落とせば、ガイの性器も彼の腹につく程まで立ち上がっている。
腕を伸ばし、それに触れると
「ひ、あ、あぁぁッ」とよりいっそう高く甘い声で啼く。
先走りで濡れそぼったそれを握り、動きにあわせて扱くと、きゅうっと中を締め、内部が煽動する。
ガイの声を身体に煽られ、手の中でびくびくと快楽に震える性器を、激しく扱く。
「や、めっ…、ルー、く!…ああっ」
先ほどまでの余裕をなくし、切羽詰まった声で懇願し、涙を浮かべ瞳を揺らめかせるガイの姿に、一層興奮を覚える。
名を呼ばれて、心が震える。
ガイの動きに合わせ、腰を突き上げると、「アアッ」と背をしならせ、先走りが溢れる。
気持ちいい。何も考えられない。
脳を灼き尽くすような快楽に、ルークは翻弄された。



*********


ざあざあと雨が音を立てて降っている。
その音で、ようやくルークは目を覚ます。
「あ、あれ?」
がばっと跳ね起きて、きょろきょろと部屋を見渡す。
そこにガイの姿はない。
「え、ゆ、め?」
だが、爽快感と倦怠感がまぜこぜになったような腰の感覚は、あれが夢でなかった証である。
それに今まで眠っていたベッドは、昼寝の時と違うほうのものだ。
今、何時だろう。夜ではなさそうだが、雨天では今が昼なのか夕方なのかわからない。
しんと静まり返った部屋では、窓を叩く雨の音しか聞こえてこない。

そっか、ガイとやったんだなあ。
つーか、なんでヤッちまったんだろ。
あんなに、ガイの行動を糾弾したのに。
何やってんだろ、俺。

はあ、とルークは頭をたれながら、重苦しい感情を出すように息を吐く。
眠れない夜に大人が何をするのかわかるだろう、ってガイは言っていた。
確かに、何も考えられなくなる程に気持ちよかった。でも、それは本当に正しいんだろうか。
再びルークは考えだす。
大人なら、そうなのかもしれない。じゃ俺はどうだろう。
どちらかと言えばよく眠る方だ。眠れない夜なんてそう多くはない。
じゃ、その時、何してた?
自問自答を繰り返していたルークは、一つの答えにたどり着く。





鍵をあける音に続いて、扉が開かれる。
「お、起きてたか。もう夕方だぞ。夕飯は俺たちは勝手にとるって、皆には伝えておいたから」
砥石を手にしたガイは、空いた手で扉をしめる。
剣を研ぐために椅子に座ろうとするガイをルークは呼ぶ。
「こっち来いよ」
「……どうした?」
「いーから」
ベッドの上胡座をかいているルークは、一歩も動くつもりはないらしい。
ガイは「はいはい」とテーブルの上に石をおき、ルークのそばに行く。
近づくとルークは胡座を解いて正座をする。
ルークの意図が掴めず困惑するガイに向かって、膝をぽんぽんと叩く。
「膝枕してやる」
は?
突拍子もないその言葉に、ガイは目を丸くする。
「いーから。ほら、こい。えーと、頭こっちな。身体は…ちょっと折り曲げろ。ほら、早く!」
ルークが突然なにか言い出すのには慣れているガイも、警戒を解かずにゆっくりと頭を膝にのせる。
「なんか見上げられと、落ち着かないな。横になって、違う、こっちに顔むけろって。そう、それ!」
言われるがままに、ルークの膝に頭を乗せたまま横になる。しかも顔のすぐそばに、綺麗に割れているルークの腹筋がある。
こっちの方が落ち着かないだろ、とガイは言いたいのをぐっと堪える。ルークが何をしようとしているのかわからないのに、水を差すのも悪いだろう。
「あの、さ。お前言ったよな、『一人で眠れない夜に、大人が何するかくらいお前も想像出来るだろ』って。
その言葉をずっと考えてたんだ」
一度言葉をきり、唾を飲み込んで息を整える。
「え、っと。これからガイが眠れない夜があったら、俺が膝枕してやる!」
ルークの言葉にガイは一瞬身体を硬直させる。
頭の中は???マークで埋め尽くされる。
「俺は一度寝たら朝までぐっすり寝れる体質だけどさ。
でも、ちっさい頃は、眠れなかった夜に、お前が添い寝して物語を聞かせてくれた。
添い寝すりゃいいんだろうけど、宿のベッドって狭いし、俺もお前ももういい年だし。
だから膝枕してやる。これなら場所もとらないし、いい案だろ」
「ルーク…、あの…」
「眠くなるまで頭撫でてやるから安心しろよ」
そう言って掌をガイの短い髪に置いて、ゆっくり撫でる。
思考や身体がぴしりと凍りついたガイも、実年齢7歳児が必死に考え辿り着いた答えの、あらぬ方向への飛躍ぶりを理解したようだ。
押し付けられた腹に額をくっつけ、くくく、と肩を震わせて笑い出す。
「なに笑ってんだよ」
「いやあ、やっぱりルークはルークだなって」
「…?、そんなに当たり前だろ」
「そうだな」
静かにガイは瞼を閉じる。
ルークの手が、ガイの頭を撫でるその感触に、口元を緩ませる。
「眠れない夜は、俺が…、お前が眠るまでずっと傍にいて、膝貸して、んでオプションで頭も撫でてやるからさ。
だからああいう事はもうしないで欲しい。
勝手なこと言ってるけど、すごく嫌なんだ」
ガイは目を閉じたまま、穏やかで幸せそうに微笑む。
「そうだな。これからは、お前に甘えるとするか」
ガイの言葉に、ルークはぱっと顔を輝かせる。
「いいぜ。何なら子守唄もサービスしようか」
「いやあ、それは遠慮しとく」
「んだよ」
「………ありがとな、ルーク」
柔らかな声で告げられた感謝に、ルークは満足気な表情になる。だが、次の瞬間、ん?と眉を顰める。
「どーいたしまして。で、あのさ、早速なんだけど、緊急事態発生」
「どうした?」
「……足が痺れた」
ぶほっと弾かれたように、ガイは盛大に笑い出す。
「ちょ、ばかっ。笑うな、うごーーくなー!!その振動が、あ、足、痺れた、足にぃぃっぃ、つたわああああ」
うー、と唸り声をあげながらルークは悶絶し、その膝の上でガイは腹を抱えて笑い転げた。




匿名様からいただきました無邪気ルーク×隠れビッチ淫乱ガイです。
リクエスト内容がとても萌えて素敵でしたのに、私の力不足で色々生かされておりません。羞恥プレイを入れることが出来ずに…出来ずに…(涙
無邪気な攻というルークだったのに、無邪気というよりは……な残念さです。
おまけにカプ未満なまま終わってしまった感じです。
でも無駄に設定だけはつくってました。ガイがああいう風になった原因は公爵の強姦のせい、とかなんとかかんとか。
考えすぎて長くなったので、削りまくったので色々おかしいところがありますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
リクエスト本当にありがとうございました

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