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愛人 読みきり連作
奉仕
背徳の二年前の話です。
まだまだ初々しい?関係 ガイ16歳


ファブレ公爵の執務室は屋敷の最奥に位置する。
執務室の続きの間は彼だけの寝室となっている。これは身体の弱い夫人が床に伏せた時に利用するという名目で客室を改装して作られた部屋であった。
勿論表向きの理由だったが。

その執務室の扉を執事のラムダスが叩く。
「旦那さま、ルーク様をお連れしました」
「通しなさい」
同じ屋敷に住み、親子だというのに、ルークはこの部屋に足を踏み入れるのは片手で数えるほどだった。
小さく息を吐いて己を奮い立たせて、ラムダスが開けた扉に身体を滑りこませる。
壁には書棚がいくつも並んでいる。ルークの部屋とは比べられぬ程広い部屋に、広く高い窓を背にして執務机に座り規則正しくペンを動かしている父親の姿が目に入る。
「お呼びでしょうか」
積み上げられた書類に目を落とし、ルークの方を見ようともせずに
「そこまで話せるようになったか」と共に住んでいる親とは思えぬ発言をする。
「はい。ガイの、おかげです」
誘拐されて記憶も、人間らしさも失われたルークの世話を任されたガイは、初めこそは渋っていたものの次第に熱心に世話をやくようになった。
二年でここまで成長はした。
「そのガイのことだが」
一旦言葉をきって、ようやく扉の傍に立ったままのルークの方に視線をやる。
「庭師が急逝したことで天涯孤独の身になったガイをこの屋敷に止めておくように、お前がシュザンヌに泣きつき、私もそれを了承した。
だが、その時に話したはずだ。
ガイは使用人で立場をわきまえろと。
ガイには午前お前の剣の相手をさせているが、午後は家庭教師について勉学に励むようにとも言ったはずだな。
どちらも守られてはおらんようだが」
ルークはチラリと後ろに控えるラムダスに目をやる。チクったな。
ペールが庭先で急逝した後、母親に文字通り泣き付いたのはルークだ。ガイをどこにもやりたくなくて。
ただラムダスがあまりにもルークがガイに執着している事を懸念し、公爵に進言をした事もルークは知っている。
『そのせいでずっとガイが面倒をみてきてくれたのに、俺の世話は午前だけになってしまった。
午後からはこの親父の執務室で何か手伝いをしているらしい。ガイがはっきり内容を言わないからわからないけど』
執務室に向わなければならないガイをいつもルークは引き止めた。
その様子をまたラムダスが公爵に進言したのだ。
公爵はまた書類に目を落としながら
「その様子ではガイはこの屋敷を去ってもらわなければならないな」
「ちょ、待った!……じゃない、待ってください」
ツカツカとルークは歩き出し、執務机に座ったままの父親の前に立つ。
「…申し訳ありません。これからは改めます。だから、ガイは…ガイを辞めさせないでください」
頭を下げるルークを一瞥もせずに
「改めるというのなら今回は見逃しておこう。だが次はない。覚えておきなさい」
「はい」
「では下がりなさい」
ルークが踵を返そうとした時、何か気配を感じた。
ん?と振り返ると、変わらず書類に目を通す父の姿だけであった。
「あ、そうだ!父上、ガイはどこですか?」
「先ほど軍司令部への伝達を頼んだ。夕方までは戻ってくるまい」
途端、目に見えて気落ちしたルークはラムダスに促されるまま執務室を後にした。

二人の足音が遠ざかると、公爵はそのまま執務机の下に目をやる。
そこには全裸で公爵に奉仕するガイの姿があった。
「ルークが私の正面ではなく、傍らに寄っていたらお前のこの姿をみて驚いたろうな」
その言葉にガイの身体がピクリと震える。
技巧もない稚拙な口淫でだが、その恥辱に震えるガイの様子をみて公爵は愉しむ。
広い窓から入る採光は、全裸のガイを余すところなく公爵に曝け出している。
公爵のその箇所だけを広げた場所に顔を埋めて、ただ単調に舌を這わせている。
片方の手は公爵のモノに添えられ、片方の手はガイの背後に回されている。
「どうだ、少しはほぐれたか」
声をかけると、ようやく目線を公爵の方に向ける。
恥ずかしさのあまり、蒼い瞳の端は赤く染まっている。
執務机の上のペンとインクをそのまま引き出しにしまうと、公爵はようやくガイの待ち望む言葉を口にした。
「もうよい」
ほっとした表情を隠しもせずに、ガイは公爵のモノから顔を離す。
「立ちなさい」
全裸のままなのに恥じらいをもちつつも、机の下からゆっくりと身体を起す。
公爵の手が執務机の上に重ねられた書類をなぎ払う。書類がバサッと音を立てて舞う。
一瞬白い鳥が飛び立ったようにガイは錯覚する。
公爵の手がガイの金色に輝く髪を掴むと、そのまま上体を執務机に押し付ける。
なにを、とガイが思うよりも先に、まだ硬い蕾に先ほどまでガイが口に含んでいた怒張が当てられる。
「ま、まだ」
「あれだけ時間を与えたのだ。上の口で私を満足させられないなら、こちらでやってもらおう」
そういうと、ガイの奥を一気に突き上げた。
「ああ、ああああっ」
思わず口から悲鳴が漏れる。
ニヤリと公爵が嗤う。
掴んだ髪を少しひきあげ、耳元に口を寄せる。
「ルークに聞こえるかもしれんぞ。よいのか」
その言葉にガイはすぐさま掌を自分の口にもっていき、痛みと衝撃に耐える。
涙が頬を伝って机にポタリと落ちて行く。
ガイの膝はガクガクと震えているが、構わずに公爵はガイの下半身を立たせたまま背後から突き上げる。
この体勢は白く小さな双丘に赤黒い肉棒が出入りする様がよく見える。
口を手で覆って必死で声を殺しているが、漏れ聞こえる声は悲鳴に近い。
ガイの髪を掴んでいた手を離し、痛みのため萎縮しているガイのモノを強く握る。
その刺激に背を仰け反らせ、刺激に耐える。痛みしかないはずなのに、奥深い所でジクリと甘く疼く。
激しい律動に合わせて前を扱かれると、痛みなのか快楽なのか、その境界線が曖昧になっていく。
鼻から抜ける声が甘く色づいていく。

下半身を激しく揺さぶられ、刺激で思考がまとまらないガイの耳朶を公爵が噛む。
ビクリと身体が震え、キュウっと身体の奥に咥え込んだ公爵のモノを締め付ける。
「よい反応をしめすようになったな」
そう耳元で囁くと舌を耳の中に入れ舐めあげる。
「ひゃっ……ああっ……いい…」
口を押さえる事も忘れて、唇からは甘くすすり泣くような声が漏れる。
わざと音を立てて舐めると、「あっ、あっ……んん」と快楽に濡れた声をあげ、掌で硬くなったものは先走りが次から次へと溢れてくる。
誰にも触れられた事もなければ、触れる事も叶わない少年だ。刺激に耐性がなく、こんなにもあっけない。
だが。
蕩けている蒼い瞳がゆっくりを公爵をみあげてくる。
まだ私の手に堕ちたわけではない。この瞳の奥底に潜む感情がある。硬質で私を激しく拒む昏い感情が。
ニヤリと笑うと、耳朶の後ろに舌を這わし、そのまま肩口を軽く噛む。
その瞬間、小さく悲鳴をあげると身体を跳ね上げ、ぎゅうっと収縮して痛いくらいに締め上げる。
その収縮に堪えきれずにガイの身体のなかに熱い液を放出した。






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