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体温計(牛ブロ)

鳥みたいだ、と笑うJr.をよそに俺はそのでかいくちばしのようなマスクをつけて、玄関に立った。

「笑ってるけどなあ」
巷を騒がすウィルスの恐ろしさを真剣に語ろうとも今のこの姿ではJr.の笑い声を増長するだけだ。俺は諦めて、うがい手洗いマスクの着用、それは口を酸っぱくして言い聞かせ、しかしJr.は鼻で笑うようにして、俺の言葉を流す、まあとにかくそれだけはしつこく言い、部屋を出た。あいつは病気の恐ろしさを分かっていないのだ

しかしなんとかは風邪をひかないというし。まあ大丈夫か。











しかし諺は諺だ。現実とは違う。ベッドでべそをかくJrの熱い額を撫でながら、今朝のことを思い出しため息をついた。
「ひとの言うことをきかねえから」
「いたいあついいたい」
ぐすぐすと舌ったらずにうめくJrに説教しても仕方ない、今日何度目か分からないため息をつくと同時に体温計が鳴った。予想以上の熱にまた俺のため息の数は、増えるのだった。








【体温計】









苦労人な旦那牛様

熱が下がればおいしくいただきました(5つ星!)



あきゅろす。
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