双子 ほら君とこの道歩いたら前ゆく人は俺と君見て微笑むよ。仲良しさんね、なんて 俺は悪い気はしない、そう言われたらニコリと微笑み返すんだ、隣の君は曖昧に唇を歪ませる。なんか不満かい?と尋ねるけどまた君は曖昧に笑って軽く首を横に振る。フワリと宙に浮くやわらかそうな髪の毛に思わず触れたくなる。 どんなにどんなに俺が 君を思っていることか どんなにどんなに君になりたいと想っていることか 君は知らない。そのやわらかな髪の毛一本すら愛しくて、思えば想うほど君はまた曖昧に笑うだけだ。 掴むことは容易いはずなのに、すぐそばにいる君はとても遠いんだ。ああせめて俺のすべてが君になれたなら。 ひとつになれなくてもいいからせめて君がいない時でも君のこと、感じられたら どっちが本人だか分からないや、お前はホントに僕にそっくりだ 曖昧な微笑みで君はそう言った。 そうさ君のことは俺だけが、俺ひとりだけが判ればそれでいいんだ。 ああでも本当はひとつになれたら、君とひとつに、なれたなら俺は 【双子】**鉢雷** |