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車輪の唄
車輪の唄
夕方の地下鉄車内は、朝の混雑時とは打って変わって妙にガランとしている。
特にそれを狙ってこの電車に乗った訳ではないけれど、今現在、僕と彼女しか乗っていない。
ガタン、ゴトン
「誰も居なくなっちゃったね」
「そうだね」
ガタン、ゴトン
耳に入るのは、ガタンゴトンという車輪と線路の音と僕らの声だけ。誰もいない、静まり返った車内に取り残された僕たちはまるで
「どっか、知らないところに連れて行かれるみたいだ」
「え?」
「このままさ、トンネルを抜けたら、この電車が空に浮いたら、そこはもう違う世界なんじゃないかって気がするんだよね」
「御伽くん、メルヘンだねぇ」
「ほんとにどっか、行っちゃう?」
ガタン、ゴトン
響いたのは、次の駅に止まる合図の車輪の唄。
少し目を見開いて、驚いた顔を見せた君はすぐに笑って頷いた。
(ああもう、顔が燃えそうだ)
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もちろんタイトルは某鶏バンドの曲名^^曲の中身と話は全く別物だけどね!ところで、御伽って電車のることあるのか…?
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