zzz
空想王子と現実逃避
空想王子と
現実逃避
もしもここが
絵本の世界なら。
「徹子(名前)、何読んでんだ」
「絵本だよ」
「よくそんなの読めるな…」
「えー?結構癒されるよ。現実逃避な感じでね」
絵本はいつもハッピーエンド。疎ましい事は何一つないし、全てがキラキラ輝いて見える、らしい。おれ様はさっぱり、理解に苦しむ。
―もしもここが絵本の世界なら…
最近、徹子(名前)がよくこんなことを呟く。まあ『獏良』がある意味2人いるという時点で、絵本みたいな世界ではある訳だが。
「姫にでもなりてぇってか」
「そうだよ」
「大層なこった」
「でもね、」
「それはバクラが王子様なら、の話」
もしもここが絵本の世界なら。
(おれが、王子?)
なれるだろうか
(…だっせぇ)
徹子(名前)の笑顔の視線を余所におれは冷房を入れ、あいつは早々に空想回避をすべきだと思った。
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