zzz
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シーサイド
ブルー
お前に逢わないまま、
一日が過ぎるのが怖い。
同じ学校にいて隣の教室にいるのに、逢いに行く度にお前はいつも友達に囲まれて、楽しそうに笑う。
その時の俺の気持ちと言ったら。ないよ。ない。不安で不安で、心の奥底に淀んだ綺麗になれない気持ちが蠢いて、身体中を支配する。こんな自分は今まで知らなかった。徹子(名前)にまた逢って、初めて涌き出た想いだ。
「徹子(名前)ちゃん」
帰り際、学校中でお前を探すのが癖になった。少しでもお前に逢いたい、ただの『幼なじみ』で終わりたくないんだよ。
校門前でやっとお前を見つけた。声をかければ「琉夏くん」と呼んでくれる。そんな瞬間すら俺は愛しくて、失いたくなくて。
「俺と一緒に帰らない?」
どうか、どうか断らないで。
お前と話したいんだ。
たくさん、たくさん。
お前と笑い合いたいんだ。
お前と同じ時間にいたいんだ。
(じゃあ、お茶して帰ろうよ)
恥ずかしいけどちょっとお腹空いちゃったんだ、ってこそっと耳打ちされた。俺は別に大丈夫だと思ってたけど、お前にそんなこと言われたら、何だか凄く腹減ってきた。嬉しくて嬉しくて、緊張とか不安とか、そういう糸と言う糸が急に切れたみたいだ。
「じゃ、徹子(名前)ちゃん。バイバイ」
WEST BEACHへの道がこんなにも寂しくて、こんなにも閑散としていたものなんて、全然知らなかった。否、知らなかったんじゃなくて忘れてたのかもしれないな。お前がまた俺たちの前に現れてから、毎日が楽しくて嬉しくて。お前が来る前のことなんて、少し忘れてたよ。
早く、早く明日になれ。
早くお前に逢いたいんだ。
ああ、そうだ。
俺はお前に依存してるんだ。
お前がいないと俺はもう。
(もしもし、琉夏くん?)
毎日が日曜日ならいいのに。
そんなことを考えながら、長い長い夜を耐えるため、俺は目を閉じた。
(えっとね…)
おやすみ、ジュリエット。
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