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きみからの。
「ちゅう、して」
きみからの。
海馬コーポレーション社長は今まで見たことのない、キョトン顔。突拍子もなく発した私の言葉に、とうとう頭がおかしくなったか、とでも言う様な表情をした。
「だって、いつも私がしてるじゃん」
「貴様が勝手にしてるだけだろう」
「…迷、惑?」
海馬くんは、ぐ、と言葉を詰まらせた。あながち、迷惑ではないらしい。でもたまには、あたしがするんじゃなくて海馬くんから、ちゅう、して欲しいんだ。
「…でなきゃ、海馬くんが本当にあたしのこと好きなのか、わかんないよ…」
「…徹子(名前)…」
今まで海馬くんが自分からキスしてくれることなんか一度も無かった。仕事で忙しいからそんな余裕ない、って思う様にしてたけれど。ここまでしてくれないのは何故なの。
不安の波が押し寄せて、身体が丸ごと飲み込まれそうな感覚に陥る。
「…徹子(名前)、こっちを見ろ」
「んっ」
触れた。
唇に、そっと。柔らかくて、温かい感触。海馬くんの唇が、私の唇に触れた。
「海…馬く…」
「俺は…貴様が嫌いだとか、迷惑だとか、そんなことは一度足りとも思ったことは、ない」
顔面、耳まで赤くして呟く様にして言った。いつだったか、私が海馬くんに告白した時と、同じ反応。
どうやら、未だに気持ちは変わらぬ様で。
「ありがと、社長!大好き!」
「ええい!黙れっ!」
次は、好きって言ってもらおうかな。
あなたから、言ってほしいの。
(きみからの、シャイな愛情表現)
私は知っているの。
(言われる方が、嬉しいってこと!)
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うちの社長は非常にシャイボーイです。
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