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zzz
 


とんでもないことを思い出してしまった。
たった今、全て思い出した。


(そうだ、鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)だ)


徹子(名前)によく、いや、よくと言うよりそっくりだ。
鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)は10年前に近所に住んでいた友達だ。俺の村は子供がまるで居なかったから、俺と鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)は殆ど兄弟の様なものだった。
来る日も来る日も、鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)と遊んだ。遊ばない日は無かった。


(おとなになったらね、わたし、とめのおよめさんになるね)
(うん、いいよ)


そんな子供らしい約束も交わしていた気もする。
しかし、鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)はもう存在しない。死んだのだ。
川で溺れて、死んだ。


ある風の強い日、俺と鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)はいつもの様に川遊びをしていた。しかし、風は思いの他強く、体重の軽い子供はすぐバランスを崩して転びそうになる程だった。
案の定、俺達は風に体を持って行かれ、川に落ちた。


次に目が覚めた時は、家で寝かされていた。頭には包帯が痛ましい程巻かれていたのを覚えている。


(留三郎、落ち着いて聞いてね。鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)ちゃんが―――)
(鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)ちゃん、ってだあれ?)


事故のせいか、俺の記憶からは鉄子(1の名前を別の書き方で/nintamaのみ)の存在だけが綺麗に無くなっていた。
今まで思い出せなかったのは、この影響か、それとも思い出したくなかったのか。


とにかく、今全てを
思い出した。






9 あの日も、あの日も、空は橙だったのに









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