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きみ以外の誰かなんていない
もし僕がどこか遠いところへ行ってしまったら
もし僕が君に冷たくなったら
もし僕が死んでしまったら、
きみは僕以外を愛すのだろうか。
きみ以外の
誰か
なんていない
「徹子(名前)ちゃんさー」
「なぁに」
とある晴れた日の昼下がり。僕は急に気になって、何気なく訊いた。
「もし僕が死んじゃったらどうする?」
「はい?」
「他の人と付き合っちゃう?」
すると君は急に怒った様な、悲しい様な表情を浮かべた。
「…何で?」
「いや、何となくだけどさぁ」
「何で、まるであたしが御伽くんのこと好きじゃないみたいなこと言うの?」
僕は、しまった、と思った。段々君の顔が曇るのが分かったし、言われてみれば確かにそう取れる質問だった。僕は、何て愚かなんだ。
「あ…ごめん!そんなつもりじゃ、」
「分かってるよ」
次の瞬間、僕の前には何だか切ない笑顔を見せた君がいた。
胸が、痛む。
「さっきの質問ね、」
「…うん」
「…あたしには御伽くんしかいないし、他の人なんか目に入らない。これが答え」
「あ、ありがと」
「いいえ」
あまりにはっきり答えるものだから、返事に困ってしまった。『御伽くんしかいないし』という答えが、何だかやけに恥ずかしく聞こえて体中がほてってしまったことは、自分の奥底にしまっておくことにする。
「変なこと訊いてごめんね」
「いいよ。悪気は無いんだもんね。…あ」
「ん?」
「…御伽くんは、どうなの?もし、あたしが死んじゃったら」
悲しい気持ちにさせてしまった君に、謝罪の気持ちと精一杯の愛を込めて送る言葉は勿論、
「きみ以外の誰かなんていない」
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お題確かに恋だった様より
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