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zzz
さむいより、まし!(5000hit)和chuさん


なんだ、なんだ、

なんなんだよ!


むいより、まし!




ここ暫く、あいつの帰りが異常な程遅い。
何をしているのかと聞けば、ちょっとね、と言って
すぐ自分の部屋に籠る。
話しかけても、上の空。



なんだ、なんだ、

なんなんだよ!



「おい」


ドアの前に立った。
どういう訳か、扉の向こうからは小さな物音のみ。


「…徹子(名前)!」
「っはい!」


よほど集中していたか、
返事をする気がないのか、
声が聞こえたのは2回目の
呼び掛けのあとだった。


「おまえよぉ」
「んー?」
「お前、最近何してんだ?」
「バクラには、内緒」


おれには、内緒?
何とも素っ気なく適当な返事で、余計に腹立たしくなった。


「には、ってなんだよ」
「…バクラ?」
「…うるせえ、なんでもねえよ」



むしゃくしゃする。



おれが、何かした?
何にもしてねーだろうが。
自分の思い付く辺りでは
何もないはずなのに!



「バクラ、バクラ」
「……」
「本当は完成まで秘密にしておこうと思ったんだけどね」



部屋から出て来た
あいつが手にしていたのは



「…それ」
「ん、コート」



俺が普段身に着けているものに瓜二つ(といっても少し厚手の作りだが)のコート。



「バクラ、いつもそのコートでしょ?寒くないのかなって思ってさ。色々お店見たんだけど似たの中々見つからなくて…杏子に手伝ってもらって作ってるの」
「……」
「ほらほら、口閉じて」



それからあいつは
まだ少し早いけど
もうすぐ完成するから
待っててね、と言って
また部屋に戻って行った。



何だか急に
涼しくなって来た。



その瞬間、真っ黒なただの布に嫉妬したことも、すっきりさっぱり忘れちまった。



(あー…さみぃ…なんて)



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thanks5000hit!
和chuさん、だいぶ(有り得ない程)遅くなって申し訳ありません(´;ω;`)無理矢理な嫉妬になってしまいました…ちょっと弱々しいバクラを目指したんですが、どうでしょう?

ありがとうございました!






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