zzz
真夜中の電話
昔から決まってんだ。
何故か、夜が怖くて
星が怖くて。
必ず毛布に逃げ込むんだ。
真夜中の電話
そして今日も逃げ込んだ。君が居てくれたら、なんてことを考えながら。
「もう、寝てるかな」
夜が怖いのは、君に会えなくなるから。
星が怖いのは、眩しい光が弱く脆い僕を照らし出すから。
意味もなく携帯を開いて、君の名前を探した。見つけた瞬間、時間も考えず通話ボタンを押した。
♪♪♪
♪♪♪
ガチャ
『…ん〜…』
目でも擦りながら話して居るのだろうか。当たり前だ。幽霊でさえ眠りについて居る時間だった。
「…徹子(名前)ちゃん」
『ん…どうしたの』
「…いや、何でもないんだ…声、聴きたかっただけ」
「ねえ」
『ん』
「…このまま話してたい」
せめて、夜が明けるまで。この星たちが光の向こうに消え去ってしまうまで。
「星に、ならないで」
『…ん、ならないよ』
「ずっと此所にいて、離れないで、側にいて」
ああ
ごめんよ
こんなに弱い僕を許して。だって、夜がいけないんだよ。あんなに星を照らすから。
『御伽くん』
気がつけば、涙がぼろぼろ流れていた。君に触れたいと、思ったからだろうか。君に会いたいと、思ったからだろうか。
『大丈夫、ずっと此所にいるよ』
『平気だよ』
僕はかなりの独り善がりだ。最高に、最低だね。明日は目一杯に君を抱き締める。痛いと言われても離さない。精一杯の存在確認だ。
夜に潜む皆様へ。
僕に毛布はいりません。
逃げ込む場所が
あるってことがわかったからです。
それは
『君』の
『声』と
『存在』そのものでした。
お題提供風雅様
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