L・Love song(本編)
<288話>道 [片岡和弥編]
-片岡家-
[和弥視点]
荒野家、秋月家を訪ねた後、昼頃になったので一度家に戻ってきていた。
和弥「ただいま〜」
なのはが家にいると思ったのだが、家には誰も居らず、なのはは出かけているようだった。
和弥「ん……?」
リビングに行くとなのはによる書き置きがあった。
そこにははやての家に行くから今日の訓練は中止といった内容だった。
訓練を中止にするほどの用件が気になったが、早起きした反動で眠気が俺を襲い、そのままリビングのソファーで眠りに落ちた。
……………。
和弥「……う…ん?」
眠気眼を擦りながら窓の外を見ると、景色がオレンジ色に染まっていた。
和弥「もう夕方か…」
顔を洗った後、家の中を歩き回る。
和弥「なのははまだ帰ってないみたいだな」
そう呟いた瞬間、玄関の方から扉の開く音となのはの声が聞こえた。
なのは「ただいまっ」
和弥「おかえり〜」
俺は使い慣れない義手の右腕ではなく、左腕をあげて迎える。
なのは「えっ!?その右腕どうしたのっ!?」
なのはは俺の義手である右腕を見て驚いている。
和弥「義手だよ義手、まあまだ動かし慣れないけどな」
俺は笑いながら右腕を上下させる。
和弥「ところで、なのはは、はやてん家で何話してたんだ?」
俺は気になっていたことを尋ねた。
なのは「うん…、これからのこと…」
なのはは俺にソファーに座るように促し、なのはも座る。
そしてゆっくりと話し始めた。
………………。
なのはから聞かされた話は新部隊設立、そしてその任務内容。
和弥「機動六課……」
部隊設立ということはこれから戦いが本格化するのだろう。
なのは「和くんは無理に参加しなくてもいいんだよ……?」
和弥「なんで?」
なのはの表情はいかにも心配そうである。
なのは「……和くんは民間協力者なわけだし、断ろうと思えば断れるんだよ……?」
なのはは俺を心配して言ってくれているんだ。
これより先に進んだら本当に後戻りは出来ない。
機動六課に入ってしまったら、自らを危険へと晒すわけなのだから。
それでも…
和弥「参加する」
即答だった。
答えは決まっていたから。
和弥「なのはと一緒に行くよ。なのはと一緒に戦う」
なのは「本当にそれでいいの?後戻りは出来ないんだよ…?」
後戻りは出来ない。
なのはは最後の確認を問う。
和弥「ああ。俺が決める道は、ずっとなのはと同じ道だから…」
俺の決意表明。
なのはとずっと一緒に歩いて行くために。
なのはを守りたい…、助けたい…、力になりたい…。
だって俺は、なのはと一緒にいる時が、一番"俺"でいれるんだから。
和弥「覚悟は決まってる。あの日からずっと…」
あの日…、俺達が初めてデートし、なのはが傷ついた……あの日。
なのは「和くんが魔法を始めたあの日から、私の想いはただ一つだから」
二人で共に行く。
同じ道を歩いて行く。
二人で助け合って。
機動六課と共に、これから何が起きようとも………。
…………………。
=続く=
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