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いにしえからのこもりうた
8、お勉強@



その後、フレイは下校の時間に合わせて遊戯を校門まで送った。もちろん、エメラやカオスも同行しているが、遊戯は表の人格へと戻っていた。
目つきも違えば本人の纏う雰囲気も違っている。
闇の遊戯はキリッとした頼もしい表情をしているが、表の遊戯は優しい表情をしている。



「ありがとう。エメラちゃん。」


「?」


「もう一人の僕、そのことで少し元気がない時があってさ。」



たまに、海馬くんを心配していたし・・・。と遊戯は言う。
そんな遊戯に、エメラは柔らかい笑みを見せたのだった。



「ついたぜ。」



二人が会話をしていると、フレイが校門の側に車を止めた。
助手席に座っていたカオスが遊戯が座っていた方の後部座席のドアを開けた。
遊戯はありがとう、と言いつつ車を降りた。
そんな時にタイミングを見計らった様に城之内らが校門から出て来た。
校門の側に止まっている赤い車の傍らにいる遊戯を見つけたのは獏良だった。



「あ、遊戯くんっ」


「みんな!」


「遊戯!」



車の方から駆けてきた遊戯を杏子らは迎えた。
その後に、遊戯が乗ってきたであろう車の方を見る杏子らはエメラと初めて見る人物がいたので目を丸くした。
杏子はかっこいい人…、と呟いている。そんな彼女の言葉を聞いたエメラはフレイに、かっこいいってさ。と茶化す。
そんな彼女の言葉を聞いたフレイは、エメラの頭をコツンと軽く叩いたのちに、杏子にありがとう。と礼を言った。

その後にエメラがフレイをみんなに紹介した。



「えっと、彼はフレイ・ア―ディア・エルム。ドイツ人で25歳。
M&Wを作るインダストリアル・イリュージョン社で働いていて、私の面倒を見て貰っているの。」


「ってことは、同棲?」


「まぁ、そんな感じだな。」



俺の兄貴らはこいつの家に世話になっててな、留学しているこいつの面倒を俺が見ているんだと付け足した。
エメラの紹介を聞いた城之内と獏良が目をキラキラさせながらインダストリアル・イリュージョン社で働いているの!?と反応する。流石、M&Wにはまっているだけのことはある。
そんな彼らにフレイはなんならデッキ見せてみな?と言うフレイ。

それを聞いた二人の表情はさらに明るいものへと変わる。
そんなフレイの太っ腹と優しさにエメラは笑みを零している。

二人からデッキを受け取るフレイに杏子が城之内のデッキはすごく弱いから特に見てあげてくださいね。と言っている。
まずは獏良のデッキから見ていくフレイ。アンデットデッキだ、と呟きつつカードを見ていく。彼の眼の動きを追っていくととても速く、40枚のカードを数秒で見終わってしまった。
その後に、バランスがいいな。と言いつつデッキを返す。もう少し防御系のものを入れておくといいかも知れないな。といいつつ何かをメモしている。

さて、問題は城之内のデッキであった。
フレイは先程の様にカードを見ていくが、苦笑した。



「…、ルールから教えようか。」


「お、お願いします…。」



苦笑したのはフレイだけではなかったようだ。
遊戯らも、苦笑しつつも頑張って。という。しかし、フレイは遊戯らも付き合ってほしいそうだ。
理由は戦いながら説明をするのが一番早く、一番わかりやすいから。

まっ、みんなが集まれそうなところはあるからよ。とフレイが指差したのはファーストフードの店。
フレイはエメラに車を止めてくるから、先に言ってろと言いつつも彼女に自分の長財布を渡した。





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