[携帯モード] [URL送信]

いにしえからのこもりうた
9、お勉強A



「え?いいの?」


「フレイがいいと言うから、大丈夫だと思うよ。」


「うわー…なんか悪いなぁ…。」



ファーストフードのレジでエメラがみんなの分をフレイの財布で一括払いした。
遊戯らはびっくりするが、フレイがそうしたいのでさせてあげて。と言った。

食べ物や飲み物を持って一向は二階の広々としたところに陣取った。
先に食べてろ、と言われたので遊戯らはおやつとして、ハンバーガーなどを食べ始めた。
周囲は遊戯の登場に驚くが、それ以上にエメラの方をちらちら見ているようだ。
しかし、今、彼女は眼鏡をかけて普段とは違う髪型をしているのでそっくりさんかな?という声が聞こえる。

しばらくしたのちに、エメラがメールで居場所を教えたのでフレイは迷うことなく二階にやってきた。
フレイの登場で今度は女の子らがそわそわし始めたのは言うまでもない。



「あ、フレイさん!ありがとうございます。」


「ありがとうございます、ご馳走していただいて…。」



各々がフレイに礼を言うが、フレイは気にすんな。という。彼にしてみれば、実際にカードを使っている人間との交流はカードを作る側としても重要と考えているし、ペガサスも薦めているのだ。

エメラの隣に座り、彼女から財布を受け取ったフレイは、簡単にルールを説明するから食べながらでいいから聞けよ?と言った。

・プレイヤーのライフポイントは2000。このライフポイントが先に0になった方が負けとなる。

・先攻か後攻かはコイントスで決める。

・最初の手札は両者ともに5枚でゲームを開始する。

・自分のターン時の流れは、

デッキからカードを一枚引く(ドロー)出来る”ドローフェイズ”

基本的には何もしないで過ぎるが、一部のカードでは何かしらに処理が必要になってくる”スタンバイフェイズ”

モンスターを攻撃・裏守備表示での召喚、魔法・罠カードのセットを出来る”メインフェイズ1”

相手のモンスターを攻撃することが出来る”バトルフェイズ”

モンスターを召喚していない場合は、召喚が出来、魔法・罠カードをセット出来る”メインフェイズ2”

自分のターンの終わりに基本的には何もしないで過ぎるが、一部のカードでは何かしらに処理が必要になってくる”エンドフェイズ”

という流れで相手のターンも回る。

・バトルファイズ中にモンスターを攻撃する際、相手のモンスターが守備表示の場合は守備力の数値を自分のモンスターの攻撃力の数値が上回っていれば相手のモンスターを破壊できる。
しかし、逆に相手の守備表示モンスターの守備力の方が自分の攻撃表示のモンスターの攻撃力を上回っていた場合は、守備力から攻撃力の数値を引いた数値差の分だけがダメージとして、自分に降り懸かる。

・相手のモンスターが攻撃表示の時は攻撃力の数値が自分のモンスターの攻撃力の数値より下回っていれば相手のモンスターを破壊出来る。その際に、その攻撃力の数値差の分だけのダメージを相手に与えることが可能。
両者が同じ攻撃力の場合は相打ちとなり、両者が破壊される。

・他にも、モンスター同士やモンスターと魔法、モンスターと罠、魔法と罠の効果を掛け合わせて攻撃や強化などをするコンボや、モンスター同士の相性などもある。
・一般的にはライフを0にすれば勝利が確定するが、デッキ枚数が0になったりエクゾディアやウィジャ盤など、特殊なカードの効果によって決闘が終わる場合もある。


フレイが大まかな説明をし終わる頃には城之内は唖然とした表情をしていた。

杏子がしっかりなさい!と背中を叩くが、覚えることがありすぎて着いてきていない様である。



「まぁ、少しずつ覚えていけばいいな。でな、遊戯とエメラに模擬で決闘をして貰う。」


「え?」


「エメラちゃんと!?いいの!?」



急に振られたエメラはきょとんとし、遊戯はまさか彼女と決闘を出来るとは思っていなかった様で驚いている。
そんな彼らにフレイは、遊びでだ。本気とかそんなのは気にしないで肩の力を抜いていけよ。と言いつつデュエルが出来る様にカードの位置が書かれた紙を取り出してテーブルに敷いた。
そこには、”モンスターゾーン”、”魔法・罠ゾーン”、”墓地”、”デッキ”、”融合カード””フィールド魔法ゾーン”と書いてある。
流石に海馬コーポレーションのバーチャル・バトルシュミレーターボックスは無理なので、紙で勘弁してくれよ。と言い、言葉を続ける。
それぞれのゾーンを指さしながら、枚数の限界や置き方などを説明した。エンドフェイズ時に自分の手札が7枚以上の場合は、6枚になる様に墓地に捨てなくてはいけないからな。と言った。

フレイの言葉を聞いた獏良はそこまで細かくは知らなかったなぁ…と呟く。
そんな中、遊戯とエメラは向かい合って座り、互いのデッキを交換し、シャッフルとカットをし終わったのちにデッキを返し”デッキ”と書かれた紙面のスペースに置いた。
その後にフレイがコインを取り出し、互いに裏、表を決めた。それを確認したのちにフレイがコインをトスし、遊戯の先攻に決定。



「あくまでルールの勉強だ。楽しくやりな。」



フレイの言葉で決闘が開始された。




[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!