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いにしえからのこもりうた
0、いにしえからのこもりうた

もし、時を越えることができるなら


どうか、この想い届けーー

どうか、この願い叶えーー



何千年もの月日を越えて、




この うた が、



届きますように・・・








いにしえからのこもりうた























沸き上がる歓声。
様々な言語の入り交じった特殊な空間。

その観客の歓声と注目を一挙に浴びている二人がいた。
その二人はコロシアムの中央で対峙していた。

成人男性と女の子。
そして、今は彼女のターンであった。
カードをデッキからドローをし、彼女は笑みを浮かべた。



「魔法カード発動!」


「何!?」


「このカードの効果によって、私のフィールドに"黒竜の雛"を”真紅眼の黒竜”へと進化!バトル!!」



彼女の場にあった黒竜の雛は彼女の言葉に反応し、光りはじめて巨大化していく。
光が収まる頃には、大きな翼を纏った逞しい竜へと姿を変えた。

低いうなり声をあげて、相手を睨みつける竜の迫力に相手方も息を飲む。



「真紅眼の攻撃!!黒炎弾っ」



彼女の言葉に従い、黒竜はギラリと目を光らせ、口から溢れんばかりの黒い炎を吐きだした。
その攻撃に相手の男性は待っていましたと言わんばかりにニヤリと笑い、伏せカードを発動させた。



「トラップ発動!”聖なるバリアーミラーフォースー”!!」


「させるものか!即効魔法発動っ”サイクロン”!!」



先の先を見越したのはどうやら男性ではなく、女の子の方だったようだ。
チェーンによって彼女が発動させた”サイクロン”によって”聖なるバリアーミラーフォースー”は破壊され、男性の場にいたモンスターは黒炎弾によって粉砕され、男性のライフはゼロとなった。

彼女の凛とした声が勝敗を決した。
鎬を削る戦いを制したのは背の少々高い女の子。

二人のバトルを讃えた歓声と拍手の中、二人は互いを讃えるために握手をした。



大人っぽい顔つきだが彼女は年相応のあどけない笑みを浮かべつつインタビューを受けていた。



「最年少にして初の女性優勝者の誕生です!
おめでとうございます。今、この喜びをどなたに伝えたいでしょうか?」


「ありがとうございます。そうですね・・・、やっぱり海馬瀬人さんに伝えたいと想っております。
瀬人さん、今度は成長した私と戦ってくださいね。」



首から下げている、ネックレスがカメラのフラッシュの光を反射して美しく輝く。それは今の彼女の心情を表しているかの様に美しい。

映像を見ていると思ってのメッセージ。
しかし、それは彼には届くことがないと、彼女は知らなかった。


時はDEATH-T後・・・。




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あきゅろす。
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