自分のやる事には責任を負おう
「あーだりぃ〜」
よたよたと自転車で帰る銀時。向かうのは河川敷。何だかよくわからないが、同じクラスの志村妙に呼び出された。アイツの事だから告白の類いではないだろう。
「部活で疲れてんのに…なんつー仕打ちですかぁコノヤロー」
ブツブツ呟きながら、銀時は道に自転車を止めた。そこには志村妙、と
「(あの学ラン…真高?つかゴリラ?)」
近隣の高校の制服を着たゴリラ系男子。見慣れた学ランは、攘高より少しレベルの高い「真選組高校」だ。階段を降りていくと、志村と目が合う。
「銀さん遅いじゃない!」
「部活だったの。仕方ねーだろ」
「お妙さん…ソイツが…」
「えぇ、そうよ」
「?」
ボリボリ頭を掻く銀時の腕に抱き着く志村。うわっ、胸小さっ。とか言ったら多分(て言うか絶対)殺されそうだから銀時は敢えて言わないではおいた。
はてさて、何をおっぱじめるんだろうかと見ていたら、志村妙はとんでもない事を言い出した。
「この人が、私の彼よ」
…What?
「いやいやいやいやいや…え?何言ってるのこの子。俺が彼で彼が俺?ん?何言ってるのかなぁ志村さん?」
「実はね、この人…私をストーキングしてくるストーキングゴリラなのよ」
「マジでか。お前、ゴリラにはモテるんだな」
「何か言ったかしら?」
「…いえ、何も」
「だからね、私の彼の振りをしてもらいたいのよ…」
「おい銀髪!!」
ゴリラもといストーキングゴリラが銀時に向かって叫ぶ。ヒソヒソ話をしていた銀時と志村は当然びっくり。
「俺と、お妙さんを賭けて勝負しろ!」
なんつー面倒な事に巻き込んでくれたんだよコノヤロー…!
銀時は心の底からそう思った…――
パンパカパラリラッ、パッパッ
「ンだこの間抜けな着メロ」
「笑点だよ知らねーの?」
「るっせぇ、わかってらァ!」
話は飛び、今は放課後。
部活へ向かおうと高杉と一緒に歩いていた銀時の携帯が鳴る。どうやら知らない人からのメールの様だ。
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5/25 15:53
宛先 t.h_0505@******.ne.jp
件名 (non title)
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午後7時
秋風広場にて待つ。
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「あぁ?真高の奴じゃねぇか…」
「誰コレ、何コレ」
「鬼の副委員長だよ知らねェのかァ?」
「…知らん」
「真高の風紀委員会…元不良達の集まりでな、その中でも喧嘩が滅法強ェって有名なんだぜ?」
「へぇ…詳しいな高杉。流石総督」
「万斉が仕入れた情報だから、確かだぜ。ま、オメェなら負ける事ァあるめーよ」
ケタケタと笑いながら高杉は携帯をいじりだした。会話からして、高杉はこの「鬼の副委員長」とやらのアドレスを知っているらしい。やっぱ現役の不良は凄い。と銀時は何と無く関心した。
「で、挑戦は?」
「…一応、受ける。売られた喧嘩は買わないとな、男が廃る」
「了解。楽しみだなァ…俺も観戦しに行くか」
なんせ、鬼と夜叉の戦いだからなァ。と黒い笑みを浮かべながら高杉は部室に入っていった。普段はいじられキャラの癖に、こういうとこだけ黒い。よくわからん奴だ。
「乗り気じゃないけど…な」
ふぅ、と一息溜息をはいて、銀時は返事を打ち込んだ。
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5/25 16:01
宛先 t.h_0505@******.ne.jp
件名 Re:
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はぁい。受けますよ
負けたらパフェ奢れ
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