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キングサイズは金持ちの証拠










「うわ〜、広ッ!」


「わしの家で待っちょいて」と連絡があった3人は、放課後(と言ってももう夜だが)銀時達は辰馬の家にお邪魔していた。
本人が帰って来るまで3人で留守番である。銀時と桂は初訪問で、辰馬の家の広さに少々興奮気味だ。


「辰馬ってこんなデケェ部屋に1人で済んでんのか!?」
「前は、陸奥とか言う女連れ込んでんの見たけど…恋人じゃなかったな。年上だったし…美人なのに勿体ねぇ」


年上の女を部屋に連れ込むのもどうかと思うが。そんなデンジャラスな私生活を送る辰馬に、まるで高校生らしさを感じられない。


「うわ、ベットとかキングサイズだし!有り得ね〜!」
「こら銀時!子供か貴様は!」


銀時はと言うと、寝室にあるベットでトランポリン選手よろしく、ピョンピョンと跳びはねている。

桂は一言注意すると、夕飯の支度を始めるべくキッチンへ向かった。











「…高杉、何をしている」


そこには、フリフリのピンクのエプロンを着た高杉がいた。(これでも学校の喧嘩番長と呼ばれているのが驚きだ。)


「あぁ?飯作るんだよ」
「そのエプロンはなんだ…」
「銀時が持ってきたヤツ。辰馬ん家、エプロンねぇんだぜ…有り得ねぇ、出前ばっか食ってんじゃねーのかアイツ」


高杉、飯、高杉、飯…

と頭の中に無限ループが出来た。嫌な思い出が蘇る。確かアレは俺達が保育園だった頃だった様な…








「はい。今日はみんなでタコ焼きパーティーをしましょう!」

「せんせー、おれ、ホットケーキミックスやいてカステラつくっていーい?」
「おれはあかしやきをつくるぞ」


吉田保育園では、タコ焼きパーティーが開かれていた。月に1回、パーティーをしている保育園は、とても賑やかである。


「さぁ、みなさん出来ましたか〜?」
「「はぁーい!」」


子供達の元気な声が保育園に響いた。


「ぎんとき、おんしのカステラうまいぜよ!りょうりじょうずじゃのー」
「づらのあかしやきもうまい!だしにつけたらおみせのみたい!」


辰馬、銀時、高杉、桂はこの頃同じクラスだった。偶然かはわからないが、あくまで同じクラスなだけであって、幼なじみ等ではない。


「ちんすけ、それちょーだい」
「しんすけだ!ぎんときはいじわるだからやらねー」
「けち!」
「てんぱ!」
「あっはっはっ、わしもてんぱなんじゃがのー」
「どれ、たかすぎのもあじみするか。」


桂が手を伸ばしてパクリと食べたい時だ。戦慄がはしると、桂は白目を向いて倒れてしまった。先生達が駆け寄る中、銀時と辰馬は高杉のタコ焼きが気になって仕方なかった。(ヅラが倒れたから)倒れる程美味いのかといざ食べてみた。


「〜〜〜…!」
「ん〜?なんじゃーコレ」


ニチャニチャするタコ焼きを辰馬が口から出してみると、ふわんと甘い香がした。


「ぷっちょいれた。あとはいちゅーもあるぞ。うまいだろ」
「おぼろろろろ」
「あ、ぎんときがはいたぜよ」


高杉の味覚センスは明らかにおかしい。えげつない物を発明するため、小中では「味覚の破壊王」とまで呼ばれた。









「いかん。高杉、はやまるな!」
「あ?」


桂が勢いよく高杉の肩を掴むと、高杉はキョトンとしながら振り向く。
台所は絶対に死守しなければ。きっとあっという間に戦場になってしまうだろう。


「料理はいい!せっかくの4人なんだし、外食にしないか高杉!?」
「外食だァ?ンなもんばっか食ってると生活習慣病になるっつーの」
「(生活習慣病の方がマシだ…!いや、マシではないか…)ときに高杉。貴様、餃子の王将に行きたいと言っていただろう。今日は王将にせんか?」
「する」


高杉は基本単純だ。自分の欲が叶うのならば大体言う事を聞く。
早速、ベットルームにいる銀時に言うと、大喜びで支度をし始めた。


「銀時、坂本に連絡頼む」
「もうした」
「早ッ!!」
「今車で着いたってよ」


ぽちぽちとメールを打っている銀時。指の動く速さが尋常じゃない。


「じゃ、高杉は置いて、餃子の王将にレッツゴー!!」
「あ、テメェ待ちやがれ!!」
「だからはしゃぐな銀時!高杉もつられるな!!」


玄関へと走って行った銀時の後に、高杉が続く。全く、高3とは思えない。
そんな2人を皆がら溜息をつく桂だったが、何故か心なしか走りたくなった。










結局みーんなガキなのさ



あきゅろす。
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