頭カラのやる事は計り知れない
攘夷高校2年G組
俺らは服部全蔵せんせー率いるこのクラスの生徒だ。因みに俺、坂田銀時は、このクラスのリーダーであり、まぁ…アレだ。アイドル的な存在である。
「銀時、テメェ嘘だろ。何がアイドルだ」
「アッハッハッ!頭でも沸いたんちゃうかのぉ〜」
「気にするな、銀時の自意識過剰は今に始まった事ではない」
「お前等後で覚えとけよ…」
今日も平和な攘夷高校。
今は昼休みで、1つの机を囲んで4人の生徒が弁当を食べたり、雑談をしたり、携帯を弄ったり…と皆、それぞれ自由気ままに過ごしている。
「ったくよー…何が自意識過剰だよ。それなら高杉もだろーが」
この、自称「攘夷高校(略して攘高)のアイドル」こと坂田銀時。
2年の中で、まだ平均の低いG組の中でも成績が下から数える方が早い。て言うか毎回最下位である。
「だぁれが自意識過剰だ。テメェと一緒にすんなや天パ」
眼帯をして、いかにも不良ですオーラを出しているのは、攘高の近隣を縄張りとする不良グループ「鬼兵隊」の総督である高杉晋助。
成績は普通だが、普段の素行が悪い為、結論的に悪い。
「はぁ…全く、口が減らん奴だな」
と、溜息を漏らしているのは、成績優秀。容姿端麗、文武両道で否の付け所がない桂小太郎。
そんな彼にもある欠点があるのだが、またそれは後のお話で。
「アッハッハッ!!こりゃこりゃ、昼休みに喧嘩はよせ〜、仲良くするぜよ」
豪快に声をあげて笑っているのは、スタイル抜群、しかも弱冠17歳にして大企業の社長である坂本辰馬。
成績も差ほど悪くもなく、どちらかといえば上の方だが、仕事柄、出席日数が足りなくて留年ギリギリなのも事実だ。
「しかしなぁ…やっぱ一人暮らしって難しいよなぁ〜」
「お登勢殿にまだ、家賃滞納しているのであろう」
「お、ビンゴ!」
「テメェ…俺が毎月2ヶ月分払ってやってんのに…まだ滞納してんのか死ね」
「死ねって言った方が死ね」
「あ〜もうヤダ」と銀時が机に突っ伏すと、辰馬が「わしがなんとかしちゃる」と胸を張った。銀時の目が輝く。辰馬はこう見えても弱冠17歳にして大企業の社長でもある。家はGIROPPONの高級マンションだと噂があったりする。
「軽々言うな。銀時が期待するだろう」
「わしゃ本気やき〜、家買ぅて皆で住まんかぇ?」
流石の発言に、3人は目を丸くした。
「家を買うだァ!?テメェ、どんだけ金いるのかわかってんのか?」
「おぅ」
「家だけではない。住んでいく上で、光熱費等もかかるのだぞ?」
「そりゃ、皆で稼ぐきぃー」
「てかさ、引っ越しはどーすんの?」
「自分等で運べばえぃぜよ!」
一問一答、はきはきと答える辰馬の目は、色眼鏡ごしからでも輝いて見える。
本気だ。
「そんなら俺は賛成だな〜。ババアともおさらば出来っし」
「銀時、貴様…!」
「あんだよ、文句あんのかヅラ」
「ヅラじゃない桂だ!!」
そんなこんなでギャーギャーと騒いでいた時だ。辰馬の携帯が鳴った。
黒い携帯の大きなディスプレイには「陸奥」という文字。
辰馬の顔が仕事の顔になる。
「うぃ、わしじゃ」
[社長、すまんが緊急会議じゃ]
「何時から?」
[5時からぜよ、車は学校に着かせちょるから今すぐ出て来てくれんか]
「あぃよ」
パチン、と携帯を閉めた。高そうなキーホルダーが着いている。
辰馬は「先生に言っちょいて」とだけ言うと、足速に荷物を詰め込んで教室を出て行った。現役高校生の社長ってのも大変なんだな、と皆が思った時、タイミング良くチャイムが鳴った。
なんやかんやで丸め込まれたヅラ
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