[通常モード] [URL送信]
君がため*キッド




「アリス、髪……切ったのか?」

「え…?」






















 君がため

















キッドの指があたしの髪に触れる


頭を撫でるかのような、ゆるい指の感覚に恥ずかしくなって

たまらず、下を向いた



(…顔、赤くなってないかな)









スルリ、キッドの指が髪を滑り抜けて


俯いているあたしの目の前で、ヒラヒラと手が揺れて




少しだけ、顔を上げれば














「うむ、似合ってるぞ」










なんて、満面の笑み







言うまでもなくあたしの視線は再び床へ


(貴方はあたしを殺す気ですか、キッドさん)







キッドが気に入ってくれるのなんて当たり前なの




前髪を目の上で綺麗に切り揃えて、

無造作にのびていた後ろ髪も肩の下辺りで切った




そんなあたしの髪はどう見たって完璧なシンメトリー


(作戦、成功)





なんだか嬉しくなって、小さく笑った









「でも何故急に髪型を変えたんだ?」


「え……特に理由なんてないんだけどさ、」



「そうか、」



「でも、あえて言うなら、」




「?」














 君がため
(どうゆうことだ?)(鈍感だなあ、キッドは)(…?)(好き、ってこと!)






そうゆうこと、だけど
……どうゆうこと?

20090109 C


[←][→]

あきゅろす。
無料HPエムペ!