[通常モード] [URL送信]
そこんとこ詳しくよろしく*マット



「うっ、ひっく……マッ、トぉー…」


「今日はどしたの、七海ちゃん」















 そこんとこ詳しくよろしく














目の前で大号泣の少女、七海ちゃん


俺のいわゆる、幼馴染み




特技は悪い男に捕まること


趣味は泣かされてはいつも俺のとこに駆け込むこと

俺の家は駆け込み寺かっつーの





そう言いながらも邪険に出来ないのは

俺が七海のことを愛しちゃってるから



何か、都合のいい男化してないか?俺








「うっ、マットぉー……、マッ、ト…」





それでも目の前で泣く七海をほっとけなくて

ポンポン、と頭を撫でた






「どしたんだよ、」


「今日、遊ぶ約束してたのにっ……あの人来なくて、」

「うん、」


「家にっ、行ったら……女連れ込んでたっ、…」



「……それで?喧嘩して、指輪投げつけて、ここ来たの?」





この間まで指輪をはめていた右手の薬指を見ながら言えば

七海は小さく頷いた





ったく、

こんないい女がいるのに
よく他の女連れ込む気になるよな



そいつの神経が知りたいぜ!







「ぅおう!?」





いきなりの衝撃に驚いて下を見ると、俺に抱きついた七海







「七海ちゃん?」



どしたの、


なるべく優しく声をかけると真っ赤になった目で俺を見上げた







「あたし、マットがいればいい」



「……え?」



「もう、男なんて誰も信じない!マットしか信じられない!!」






それは俺の望んでいた言葉だけど、

今の七海は弱っていて


きっと俺が菩薩か何かに見えてるんだ



そうだ、自惚れちゃいけない






「何言ってんだよ、七海」


「ねえマット…ずっとあたしのそばにいて?」






自惚れちゃ、いけない、んだけど


そんな瞳で見つめられたら勝てるわけないじゃないか!!






とりあえず今は、















 そこんとこ詳しくよろしく
(七海ちゃん、それどーゆう意味!?)(……え?どしたの、…マット)(もしかして都合のいい男脱出!?)










きっと七海ちゃんも無意識で好きなんだよ

20080831


[←][→]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!