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いい加減懲りてください*山崎



「やーまざきっ!」


「時雨さん、何でこんなところに」



仕事にきりが着いてちょっと早い昼休憩をとり、町を歩いていると一番隊の隊士の時雨さんが楽しそうに現れた。



「ん?山崎が見えたから、来てみた」


「何ですか、それ」


「これからお昼でしょー?何か奢ってよ」


「……それが目的ですか?」


「えへへ、」



悪戯っ子のように舌を出して笑う時雨さん。ため息をつきながらも、俺は顔がにやけそうになるのを必死にこらえていた。
時雨さんは俺の大好きな人。
気持ちを伝える勇気なんかないし、不毛な恋ってことはよく分かってるんだけどね。



「…ていうか時雨さんももう休憩ですか?早いですね」


「ううん、まだ」


「…まだ、って、」


「まだ仕事中だよ」


「じゃあ、何でこんなところに、」


「だからさっきも言ったでしょ?山崎が見えたから来たの」


「来た……?」


「うん、市中見廻りの途中だったんだけどね、」


「え、」


「ちなみにトシと一緒に、」


「え!?」


「時雨!どこ行きやがった!出てきやがれェェェ!!」



聞こえてきたのは土方さんの怒声。
それを聞いても時雨さんは楽しそうに笑ってて。



「よし、逃げるよ、山崎!」


「えっ……、俺もォォォォ!?」



俺の手を引いて走り出した。



「ちょっと時雨さん!」


「何ー?」


「何で俺まで一緒に走ってるんですか!?」


「だって山崎いなくなったら奢ってもらえないじゃん」


「そんなことですか!?時雨さんと一緒にいたら俺まで土方さんに怒られるじゃないですか!」


「まあまあ。何か山崎っていつもそんな役どころじゃん、」


「そんな役どころ、って」



沖田隊長然り、時雨さん然り、一番隊はこんな人達しかいないのか!?



「時雨さん!」


「なにー?」













 いい加減懲りてください
(だって、楽しいんだもん!)(はい?)(山崎と一緒なら、何しても楽しいの!トシから逃げるのも、ね)(!!)







振り回される山崎くん。

20090324 C


お題「いい加減懲りてください」
:確かに恋だった

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