響く
染み込むような
響き渡るような
包み込むような

それを例えるならもっと言葉はたくさんあるのだろうけど、この気持ちは単純であり絶対である。





「テンテン」


ああ、嫌だ。
こんなに耐え難いだなんて思いもしなかった。

呼び掛けに返ってくるのは困ったような笑顔だけ。何も返ってこないよりは何倍もマシではあるが、やっぱりそれだけじゃ物足りない。こんなに自分は欲張りだっただろうか。



「もう疲れた」

足りない、埋まらない。
気にし過ぎて勝手に疲労。
無意識が意識に変わる。



「風邪なんか治して、早く何か喋れ」



染み込む、響く、包み込む。
ただただ好きだと思う。
情けないと笑ってくれていいよ。
本当、ダメなんだよ。
その声が聞こえないと。


fin





風邪で喉やられて声が出ないテンテンと、それに耐えられなくなったネジのお話でした。

テンテンはそこに居るのに、ってのが大事なところ。自分が喋るタイプじゃないから、テンテンが喋ってくれないとマジで違和感落ち着かないイライラ焦る。

それから、ネジはテンテンの声が無意識に大好き。声で機嫌や体調を察することは容易。対象がテンテン限定のフェチと言ってもいいかも。うちのネジはそんなやつです。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!