一粒の欠片
2
「え?」
「え!?うわぁあ!どいてぇ!」
なんとあろうことか、俺の着地点に人が現れたのだ。
空中でしかもそれほど距離もないなか、方向転換などできるはずもなく俺はソイツに突っ込んだ。
「だ、大丈夫ですか!?お、俺その…怪我!け、怪我ないですか!?」
ぶつかった際、俺はソイツの上に落ちたのだから当然怪我はない。まぁ、体を捻ろうとしたからちょっと痛いけど。でも下敷きになった人よりは大丈夫だ。
しどろもどろで尋ねる
こんな状況でも猫被ってられる俺って凄いかも
「ぅぅ゛....」
うつ伏せに倒れていたソイツはゆっくりと上体を起こす
「す、すいません!足が絡まっちゃって、ぉ、落ちていたところのにあなたが来て…」
嘘八百
でも、仕方ない
目立ってはいけない
こんなナリの奴があんなこと出来るわけないから
俺から情報を流すわけにはいかない
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!