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一粒の欠片



俺が、2度にも渉って発した言葉を口癖なんかじゃないよな?と自問自答していると


「榎緋!ご飯、食べに行こう!」


という言葉を今度はしっかりと耳が捉えてくれた。
発言者に顔を向けると葵は笑いを収めてて、にこっと女がイチコロで落ちそうな眩しい笑顔を浮かべていた。


「お腹空いただろ?あれだけ走って頭動かしたしさ」


そういえば、昼休みなんだった。どうりで、さっきからお腹が悲鳴をあげているわけだ。



ぐ〜〜・・・・・


「榎緋…」


言ってる傍から鳴ってるし////
そんな目で見つめないでください。それでも幸汰の視線って結構冷たいんだし・・・
ま、もちろん性格は優しいって知ってるけどな


「ほら、さっさと足を動かす!」


葵がなかなか動かなかった俺の背中を押して急かすので、俺はハツカネズミを頭から追い出し腹からの命令に従うことにした。










「葵、ご飯は無くなりませんから。だから、そんなに押されると扱けてしまいそうです」

「だ〜め!俺の好きなスペシャル限定セットがなくなるじゃん」

「バカ葵。榎緋が困っている。」




俺達は一度教室に戻り教科書を置くと、校舎棟の隣にある食堂に急いだ。





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