12月24日 クリスマスイブ――…
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「シンジくん大変!!」
テレビを見始めて静かになった渚をよそにうとうととリビングのソファーでうたた寝をしていると、渚がいきなり寝ている僕の身体をぐいぐいと揺さぶり叫んだ。
「……なに」
いい気持ちで寝てたのにあんな風にうるさく起こされては機嫌が悪くなる。僕は目をこすりながら少し低めの声でつぶやいた。だが、なんの悪びれもなく渚が口を開く。
「大変だよシンジくん!!今日サンタがくるんだって!!」
………は?
「だ〜か〜らっ!!サンタ!!」
…サンタって、あの?
赤い服着てヒゲはやしたソリに乗ってやってくるおじいさんのこと?
「そう!さっきテレビでやってたんだ。サンタさんっていいこにしてる子供にプレゼントくれるんだってね!しかも来るのは今日の夜だしっ!寝てる間にエントツから入ってくるとかなんとか…」
眠気が一気にふっとんだ。なに言ってるんだこの使徒。15歳にもなってサンタ信じてるのか…。
「そうと決まれば早く寝なくちゃ!」
「ちょっと待て…まだ8時…」
僕がセリフを言い終わる前に渚は部屋のベッドにもぐりこみ、枕の横に真っ赤な靴下を置いた。サンタさん来るかなあ、楽しみだなあと独り言を言いながら。
「渚、そんなちっちゃい靴下じゃあめ玉くらいしか入んないぞ」
「いーのいーの!サンタが来るならなんだっていいよっ。じゃあおやすみ〜」
言うなりいびきが聞こえてくる。もう寝たのか。の●太くんより早いな…。
しかもなんだよこの可愛い奴。サンタなんか信じちゃってさ。僕より年上のくせに。でも、ま、なんだかんだ言っていいこにしてるし靴下にあめ玉くらい入れてやろう。
寝ている渚の横に置いてある真っ赤な靴下を、渚が起きないようにそっと取り、中にあめ玉を入れてやった。
――…渚、喜ぶかな…――
merry Christmas...
メリクリ
20091224.
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