GIRLs@研究所
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キキーー!!
「え?」
「桜様、お迎えにあがりました。」
「ゆ、由紀子さん……!!あ、あなたがどうしてこちらに………」
横で車が急停車したかと思えば、中からいつものように真っ黒のスーツを着た由紀子さんが出てきました。
由紀子さん…最近ではお祖父様の秘書も務めていると言っていましたが……。
「さぁ、お乗りください。」
「い、嫌です!!お祖父様とはお会いしたくありません…。」
「桜様、どうかお乗りください」
由紀子さんが私を《桜様》と呼ぶ時…。
それはお仕事の時です…!!
つまり、お祖父様の秘書としてここに…!!
「い、嫌です………Σは、放してくださいっ」
バタンッ
嫌がる私を見て、由紀子さんは他にも乗っていた大人の方々に、頷きました。
その合図で、私は無理矢理車に乗せられました。
「……桜ちゃん?…気のせいかな…声が聴こえた気がしたんだけど……。」
……静原邸……
「桜、よく来たね。」
「お祖父様…。」
由紀子さんは私をお祖父様のお部屋へ連れて来ました。
「私がここにお前を呼んだ理由は分かるね?」
「………。」
「いつまでもあんなところに住んでいないで、私と一緒に暮らそう…と、前から言っているではないか。」
「でも…」
「妹や弟のことを、考えたことはあるのかね?あんなに狭い部屋に押し込められて、可哀そうだとは思わなんのかね?」
お祖父様は以前から……お父様たちが亡くなってから、このお屋敷で一緒に住もうとおっしゃっていました。
「わ…私たちは…姉妹で毎日、楽しく暮らしています…不自由なことなんて…」
「本当に妹たちが、そう言っているのかね。」
「それは…」
「…まぁ急な話ではあるが、前から言っておったことじゃ。早急に荷物をまとめて準備しておきなさい。転校届は私が出しておこう。」
「え……今、なんと…」
「桜達には転校してもらう。いつまでも、あんな庶民の学校に居てはいかん。桜には、もっと相応しい処があるのじゃよ。」
「そ、そんなっ!!あんまりですっ」
「桜…何故紺柳に固執する。……分かっておくれ。」
「…………。」
そ、そんな……転校だなんて……。
「…………。」
確かにあの家は狭いのかもしれません…ですがあの家はお婆様が絵本をお描きになっていた大切な家…。そしてお父様とお母様と過ごした…思い出の詰まった家なのです…!!
私たちがあの家をでてお祖父様のお屋敷に住めば、あの家は、きっと処分されてしまう…!!
それに転校してしまったら……もう、伽衣さんに会えなくなってしまいます………。
お祖母様……私はどうしたらいいのですか…。
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