GIRLs@研究所
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Girls
@
研究所
「李来、おはよー」
「伽衣…おはよう」
………朝 学校正門前………
「どうしたの?今日は珍しく早いじゃんかっ」
私は歩いている李来に追いつき、横に並ぶ。
「今日だけではない。これからは遅刻魔の醜聞を返上できるかもしれないな。」
「え?どういうこと?」
李来は聞きたいか、と目で言った。
「何、話して?」
私は李来を促した。
★★★★★★
………早朝………
「お早うございます、李来お嬢様。」
私はいつものように、起きてから直ぐに稽古着に着替え、稽古場に行く。
「あぁ、お早う。」
途中フミ子さんと挨拶を交わして。
…龍はまだ布団に居る筈だった。
なのに…
「李来様、お早うございます」
私が稽古場の戸を開けようとしたその時、真横からひたっと龍が現れた。
「ろ、龍!!い、いつから…」
「ずっと李来様の背後に…。」
じんわりと背筋に悪寒を感じた。
は、背後…?
私としたことが…全く気が付かなかった…。
「ワン!!」
「あ、薫(カオル)!」
鳴き声のする方を見れば、稽古場の入口に、薫が来ていた。
私はいつものように、薫を稽古場へ入れようと扉に手をかける。
「李来様!!」
「え?」
ガッ
薫が私の方へ近付こうとしたとき、龍に腕を強くつかまれ、後ろに追いやられた。
「あの物体は危険です…。李来様に吠えるなど言語道断…。自分が、排除致します!!」
「ちょ、ちょっと待てっ!!」
今度は逆に、私が龍の腕を掴む。
「あの子は、私の大切な家族だぞ!!私に危害など加えたりしない!!」
必死で説得すること2分…。
ようやく愛犬については理解を示してくれたらしい。
薫には何もしないと、しぶしぶ約束してくれた。
「薫っ、来い!!」
龍が何もしないと言ったので、薫を稽古場に呼んでやる。
「ワン!!」
中に入って来た薫を撫でて壁際に座らすと、私は愛用の刀を取り出した。
勿論鍛錬用のものだ、本当に切れはしない。
正坐をし、精神を落ち着けて、集中する。
「はぁっ!!」
−−シュッ
「やっ!!」
−−シュッ
「とぅ!!」
−−−ビュンッ
いつもの用に数回構えをとる。
……しかし、
「……。」
「………龍、お願いだから、私から離れてくれないか?」
「いいえ、それはできません。李来様に何かあれば、直ぐに対処しなければなりませんので」
私が稽古を始めてからも、龍は私の回りについて動きまわるのだ。
私の剣をうまく避けて動く辺りはやっぱりGIRLsだと感心させられるが。
「しかし、それでは稽古に集中出来ないのだ、私が。」
「安心して下さい。李来様の動きに合わせて避けますので、当たる事はありません。」
「そういう問題では…」
「それでは仕方ありません。ではお稽古は中止に致しましょう。」
え?
龍は呆然とする私から刀をとりあげ鞘にしまうと、薫を稽古場から追い出して、私に向き直った。
「行きましょう、李来様」
「………お、お前というやつは…;」
★★★★★★★
「そんなことがあったのね;」
「あいつは薫を敵視するし、稽古はさせてくれんし……全くもって不愉快だ。」
「まぁまぁ……龍だって、悪気はないんだし……」
「……朝稽古をしないと、体がすっきりしない。」
「まぁ習慣だったしね…」
「李来ちゃーーん、伽衣ぃーー!!」
「…あ、古都」
振りかえると、肩で息をする古都が。
「また伽衣は…ハァ、先に行っちゃうんだからぁ……」
息を切らしながら、古都は伽衣をギンと睨み付けた。
「あんた待ってたら…何時に学校着けるか分からないでしょ。」
私は古都を無視して再び歩く。
「あーっ!!それって馬鹿にしてない?私のことっ!!」
「別に馬鹿にはしてないけど……アホにはしたかもね。」
「んもぉ〜…なによそれっ!!」
「毎度毎度、暑苦しいわね……あんたってホント」
私たちは睨み合いながら言い合いを続けていた。
「伽衣、古都…喧嘩も良いが、前も見て歩けよ」
「「え?」」
李来の急な言葉に、私たちは後ろを歩いていた李来を振り返る。
−−ゴーン
「「っ〜…!!」」
「だから言っただろ。先に行くからな」
頭を押さえる私たちを、李来はスタスタと追い越していった。
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