今はダメ(エース) 若いってのはある意味羨ましい。 「マルコ!やらせてくれ!今すぐ!」 散々とした太陽が真上を射す甲板。 マルコは自分の元に走って来るなり、周りの隊員の目を一切気にすること無く欲望垂れ流して来た恋人、二番隊隊長に半分は素直に感心から、半分は嫌味で思った。 「…却下」 一番隊隊員らに指示を飛ばしながらまだ真っ昼間だしそもそも任務中だし、冷静にお断りすればこの若い恋人は 「何でだよ!もう一週間はやってねェだろ!」 きゃんきゃん吠えて食い下がってくる。 だから、そう言う性事情を人前で暴露すんじゃねェよい。 マルコは何も聞こえない振りして一生懸命作業してくれている一番隊に申し訳なさを覚えつつ、心中に突っ込みを入れる。 「今じゃなきゃ…いいよい」 こう言う場合、この恋人に反論するのは正解ではない。 更に食い付かれとんでもない事を言われる可能性があるからだ。 「…へ?それって…」 「…今夜、な?エース」 ちょっと色っぽくこれくらい言ってやればあっさり引き下がってくれる。 正直、まぁ、扱いやすい恋人だなとは思う。 よっしゃあ!と甲板中に喜びの声を響かせるなりルンルンに“今”は去ってくれた相手の背を見送り、自分の巻いた種であったが今夜若い雄の一週間分の熱を受け止める事になる訳でマルコは明日体無事かな…と果たして心の中だったか口に出していたかは定かではなかったがぽつり無意識にぼやいたのであった。 [*前へ][次へ#] |