ギャンブル(1+16)
マルコとイゾウは翌朝、電伝虫の鳴る音に深く寝入っていた意識を引き起こされた。
ベッドに殆ど裸で寝かされており、一見彼等がいかがわしい行為に及んだように見えない光景でもないのだが、お互い何となくドフラミンゴにあんな事やこんな事を致された記憶はある。
気分は最悪だ。
「…うっぷ。気持ち悪ィよい」
「…同感だ。うぷ。電伝虫に…出ねェと」
口元に手を置き半端無い二日酔いと格闘する。
よろよろ、イゾウが脱がされた衣服に手を伸ばしては電伝虫を探り出た。
何と、朝だと思っていたらもう昼過ぎであり自分らの定時連絡がないからと仲間が心配して掛けて来てくれたらしい。
それも何回も。
どんな酒をのませやがったんだ、とここには居ない張本人に悪態を吐きたくなるが今更それを言っても仕方ない。
「…わりぃ、ちょっと深酒して今まで気を飛ばしちまってた」
イゾウが無難な弁明すれば珍しいなと仲間から返って来て、次いでマルコは一緒にいるのかと確認されるが
「…ああ、いる。イゾウと同じく、だよい」
勿論、こう答えるしかない。
幸い深追いはされず電伝虫は切られた。
「そんでマルコ。あいつは何だ?」
部屋の隅の不審な荷物にイゾウが気が付いて指を指したのは、この後の事である。
「…参加賞?」
マルコもそちらに顔を捻れば、徳利酒が二本、袋の入り口が緩めで金やら宝石やらが数千万ベリーは入っていそうなベル袋が二袋置いてあってその袋には思わず読み上げてしまった参加賞と記された紙が貼ってあった。
どうやらあの男が置いていった物らしい。
「…貰っとくか?」
「…置いてくのも勿体無さすぎるし、貰うよい」
何だかギャンブルがどうこうではなく、体を買われたような感が否めなかったが、二人は顔を見合わせて参加賞のお持ち帰りを決めたのであった。
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