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君に会いたくて(ドフラ)
やっとお目覚めか?
頭上から振り掛かった、自分一人しかいてはいけない筈の空間に響いた第三者の声に、マルコは体を起こそうとした。



「はっ…!ぁっ…!」


湯に浸からされている。
広い風呂のような場所、溺れるような深さではないようだが能力者に取って水溜まりは命取り。
オマケに服を着せられたままなのでなお身動きが取りがたい。
いや、裸なら良いと言う問題でもないが。
マルコは何とか縁に捕まって体を支えては


「…何でお前がここにいんだよい」


自分が共にいた記憶何てあろう筈もない人物に恨めしげに声を掛ける。


「ドフラミンゴ」

「…フッフッフ。さァ、何でだろうな」


しかもここは自分の取った酒場の二階にある安宿ではないようだ。
珍しく早めに酔いが回り、宿があるからと取って部屋に入りベッドに倒れた所までは覚えている。
だが、幾らなんでもこの男の部屋への侵入を許し、なおかつ運ばれて起きない程爆睡していたとは思いたくはない。


「酔うのが、早いと思わなかったか?」

「…買収か」

「大当たり。フッフッフ。お前らの船が港に停まるのを見たんでな。寄りそうな酒場の店員全員買収して、不死鳥マルコが来たら酒に薬を仕込めと命令しておいた」


勿論、ばれたらその場で死ねとまで付け足して。


「お〜。凄い馬鹿げた作戦だよい。そもそもおれが酒屋に寄んなかったらどうしてたんだ」


頭が痛い。
脱力感が酷い。
薬と湯に浸からされてるせいもあるかも知れないが、マルコがドフラミンゴにこんな風に拉致られるのはこれが初めてではないのだ。
止めろ、と訴えてみた所で聞いてくれるような男ではない。
それで聞いてくれるならこんな馬鹿げた作戦は決行しないであろう。
結果、寄ったんだから良いじゃねェかと笑われてマルコはまァそうだな、とこれも何度目かも知れないやけくそ気味な返事を返すしかなかった。

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あきゅろす。
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