エースの弟(ルフィ) きっかけはルフィからの告白であった。 ルフィ自身、何かおめーが気になるんだと言う何とも他人事な感じの告白であったがどうあれお付き合いは成立した。 そしてこれが何回目かのデート。 「エースの弟」 白ひげ海賊団のイゾウの自室で二人きり。 だと言うのに何だか彼のご機嫌が宜しくない。 「おい、何剥れてやがるエースの弟」 「…」 「エースの」 「やだっ!」 こちらを振り向かないルフィの肩を掴んで呼ぶ事暫く。 潔く無言を貫いていた彼から声が上がった。 「おれはエースの弟じゃねェ!」 「あぁ?」 「弟だけど弟じゃねェんだ!」 彼の謎の抗議に今度はイゾウが理解が追い付かず、その端正な顔をしかませる番。 「名前で呼べよっ」 しかしそう言われてようやく合点が行った。 「…うちの船員全員にそう言うつもりか?」 少々呆れながら煙管に口を付ければ顔がこちらに捻られちげェと即答が返って来る。 「イ、イゾウに…だけだ」 頬を赤らめてぽつり言ってきた彼が年下の恋人らしく何とも可愛くて、意地悪な大人のイゾウにプッと吹き出させ (…もうちっとだけ苛めてやるか) 何て思わせてしまったのは言うまでもない。 勿論、ゆくゆくはちゃんと名前で呼んで上げようとは決めたが。 [*前へ][次へ#] |