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貰った褒美は(黄ロ)
顔面に水をぶっかけられて、沈んでいたローの意識は一気に浮上をした。


「ぶぁっ…!はっ…!」


七武海会議に出席をしたその後の記憶が無い。
酷い脱力感にどうやら後ろ手に海楼石の錠を掛けられており、床に転がされているのだと理解が追い付いた。
追い付いた、が


「お〜…やっとお目覚めかいトラファルガー・ロー。待ちくたびれて起こしちゃったよォ」


一体だれがこんな真似を、と憎々しく思った所で恐らく諸悪の根源であろう特徴のある男の声が響いてくる。


「黄猿…!?」


パチン、パチン。
こちらはこの状況に混乱しまくりだと言うのに呑気に爪を切り始めたのが実に腹正しい。


「…ここは、まだ海軍本部だな?」

「…」

「おれは何故縛られてる」

「…」

「おい、黄猿っ…!」

「そんなに元気に騒いでたら身がもたんでしょォ」


ローの質問を全て無視し、爪を切り終わった黄猿はゆっくり椅子から立ち上がった。
身?
身とは何なのか。
困惑は隠せない。
一歩、一歩、近付かれ嫌な汗が吹き出すもローに逃げ出す術はない。


「実はわっしねェ、この間大手柄を立ててどんな褒美でも貰って良いって上から言われたんだよ」

「ぐっ…!あっ!」


無防備な腹を踏み付けられ、靴底でぐりぐり体重を掛けられてローの体がくの字に曲がる。
ここまで教えれば察しが付くでしょう、と聞かれローはまさか、あり得ねェ、と自分に浮かんだ考えを必死に否定しようとした。
そのどんな褒美にでもの褒美に自分を選んだ黄猿にも、七武海である自分を容易く褒美として差し出した海軍側にも。
しかし、次の黄猿の台詞がローの考えを確信に変える事となる。


「トラファルガー・ロー。ここには他にも何体かのペットがいるから仲良くねェ。せいぜいわっしのご機嫌を可愛く取って見せなよォ」


そして最後に飽きた時に壊れてなかったら帰してあげるから、と絶望的な解放条件を突き付けられると共に腹部を思いっきり蹴り上げられローは派手に転がり飛んだ。

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あきゅろす。
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