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ペット(黄猿)
ペットを飼いたい。
黄猿は有無を言わさず拐って来たイゾウにそう言い放った。


「綺麗で頑丈で、他にもまァ、色々条件は合ってねェ〜。でもほら、わっしが一般人を飼う訳にも行かんでしょォ〜。いくら人間を売買する店が合ってもねェ〜」


黄猿と戦い気絶させられたイゾウ。
目が覚めると手足を生活に不自由はなさげな長さの枷で拘束されており、首にも重厚な首輪を付けられていた。
これは、知っている。
シャボンディで奴隷が付けられるそれ。
黄猿は語る。
自分のペットに合格出来る後腐れのない海賊を探していたのだと。
そしてその眼鏡に叶ったのがイゾウであった。
ただそれだけが今回イゾウを捕まえた理由。


「その首輪は家から出たら爆発するよォ。庭は大丈夫だけど。君も死にたくは無いでしょ〜。まだまだ若いモンねェ」


ここは黄猿がいくつか所有する家の一つ、との事であった。
黄猿がいない間、食事やらを世話する人物の手配は出来ているらしい。
厚待遇である。
最もそれは


「ふざけんじゃねェ!」


自らが奴隷となる事を飲み込めた人間に取っては、の話だが。
忘れたのか、はたまた業となのか。
イゾウは取り上げられていなかった銃を懐から取り出し、黄猿に構えた。


「おお〜。元気だねェ〜。躾が大変だよォ」


黄猿は気持ちが悪いくらい困ったような声色に肩を竦めさせる。
それがなおイゾウの癪に障り、引き金を無遠慮に引かせた。
最も、その弾が黄猿に当たる事は勿論無かったのだが。

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