合格(黄猿)
「白ひげ海賊団16番隊隊長、イゾウだねェ〜?」
久し振りに降り立った陸地での買い物中、間の抜けた声と共にイゾウの肩を激痛が貫いた。
「ぐっ…!てめェは…!黄猿…!」
片手に肩を押さえながら銃を構える。
海軍大将がいるなんて言う情報は全く無かった。
が、それもその筈。
黄猿は思いっきりラフなどこにでもいそうなおっさんの格好をしている、つまりは完全に任務外なのである。
「綺麗な顔だねェ。ほれぼれするよォ〜」
イゾウの放った弾は的確に黄猿の顔面を狙いに行ったが、黄猿は一瞬に消えたかと思えばイゾウの目の前に現れてイゾウの銃を構えた片腕を捕まえ、反対手で顎を捕まえてギリギリと無理矢理顔位置を固定させる。
「気持ち悪ィ…!触んじゃねェよ…!」
「おお〜。顔に似合わずお口が悪いねェ。でも」
合格だよォ〜。
黄猿のその台詞が届いたか、はたまたそれより先に無防備過ぎたみぞおちにその強烈な蹴りが入ったか。
「がっ…!」
カラン。
イゾウの手から銃が滑り落ちたかと思えば、呆気なく黄猿の胸の中へ力なくしなだれた。
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