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危険な男(黄ロ)
彼等海賊からすればつまらない七武海会議を終え、ローは自船へとその足を向けていた。
早く、早く。
本部を出なくては。


「トラファルガー・ロー」


もうすぐ出口、と言う所で不意に腕を掴まれた。
勿論ローの能力ならば逃げられない事はない。
しかし接触して来た相手が、悪すぎる。


「ぐっ…!」

「酷いじゃない。わっしに顔を見せてくれないなんて」


掴まれた腕を引っ張られ、どこかの部屋へと連れ込まれる。
それから壁へと体を突き飛ばされた。
そして肩を掴まれ縫い止められる。
ギリ、ギリ。
一切の抵抗を許さない凄い力で。
そう、相手が海軍大将黄猿でさえ無ければどうとでも対処は出来る、と言うのに。


「会議なら終わった」

「じゃあもうやる事はないんでしょォ〜?」

「…仲間が、待ってる」

「そんなの、さっさと電伝虫で帰れなくなったって連絡しなよ〜」


何故、気に入られてしまったのだ。
恐らく数多の海賊から見ても、ローから見てもよりにもよって海軍大将の中で最も思考の読めない危険な男に。
こんな会話を繰り広げている最中も、黄猿はローのコートの前をはだけさせている。


「それとも、仲間に犯されてる声を聞かせながら連絡したいのかな?」

「…っ」

「わっしはどっちでも構わんよォ」


ローは懐から慌てて電伝虫を取り出した。
否。
取り出すしか無かった。

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