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飼い主に*(ロー)
とある島にて、十万ベリー突き付けて買われてくれと声を掛けてきた男。
何となく新聞や手配書等で見覚えはあった気がしたが、イゾウは名前を思い出せなかった。
もし思い出せていたら、この男の船内にまではきっと付いて行かなかったであろう。


「はっ…!ぁっ…!」


今、イゾウは首と手足を床に転がされその肉体だけを男に暴かれている。
不気味な光景だが痛みは、ない。


「裏で噂になるだけあって良い体だ、気に入っちまったな」


呑気な感想を告げてる男のペニスが尻穴を出入りする度に、離れた位置に転がされているイゾウの首から声が上がり手足がびくつく。
不気味な光景とは裏腹にしっかり肉体は感じており、男を悦ばせては自分のも一応はちゃんと勃起させていた。


「このまま、連れて行っちまうか」


男の口から紡がれた物騒な言葉に、ビクン、イゾウの体が大きく跳ねる。
冗談には聞こえなかったからだ。
今、イゾウは首も離されており手足も満足に使えない。
そんな状況が体の警戒反応をより過敏にさせたのかも知れない。


「ふ、ざけっ…!ぐっ…!」

「あんたは一人だったし、おれの船に来たのを見てた白ひげのクルーもいなかった。誘拐するのに、こんな絶好なチャンスはねェだろ」


髪の毛を鷲掴まれて、頭を持ち上げられる。
一体どんな能力なのか、感覚はしっかり伝わって来た。
恐らく切り離されている手足も触られれば同様、感覚はあるだろう。
イゾウは歩きながら男に名前を聞いたが、男はセックスが始まってもなお名前を教えようとして来なかった。
もしかしたらイゾウが逃げる事を警戒していたのかも知れない。


「そうそう」


イゾウの首がまた乱雑に床に転がされて、絶頂が近いのか男の律動が荒々しい物になっていく。
男は自分の名前を覚えておいて損はないぜ?と笑って見せた。
そしてはっきりと、こう言ったのである。


「あんたの飼い主になる男なんだからな」


それはセックスに溺れているイゾウの耳にも、皮肉な事にしっかりと届いたのであった。

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