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今は勝てない(黒赤)
※ティーチ初出し


特徴のある笑い声に背中を取られ、シャンクスはここが街中であったにも関わらず振り向きざま刀を抜き覇王の覇気を込めて力任せに凪った。
ガキィン。
刀はその特徴的な笑い声を上げた男の刀で受け止められ、シャンクスの放った覇気により街人がばたばた、倒れる。


「おいおい赤髪。こんな街中で何て覇気を出しやがるゼハハハハ」

「ティーチ…!」


ギリ、ギリ。
シャンクスの長身を持ってしても余裕で顔が上に来る大柄な、この覇気を受け止めた男と近距離で刀と刀を交差させる。
シャンクスにちょっかいを掛けてきた男はマーシャル・D・ティーチ。
通称黒ひげと呼ばれる男との予期せぬ出逢いに付けられたとっくに治っている筈の目の傷がちりり、痛んだ気がした。


「まだおれの船に乗る気にはならねェか?赤髪」

「誰が乗るか…!」

「お前のクルーも纏めて面倒を見てやるぜェ?お前に船長って呼ばせる日が来るのを想像するだけで興奮しちまう」

「そいつは一生来ないだろう、なっ…!」


刀を払い、すかさず後ろに後退し距離を取る。


「…どうだティーチ。おれとここでやり合うか?それとも…引くか?」


睨み付けながら殺気混じりに突き付けた、二択。
ティーチは意外とあっさり引いた。
ティーチの姿が完全に無くなったのを認めてから刀を静かにしまう。
その刀を受け止めた手は、少し痺れていた。
四皇をも仲間に引き入れた、と言うアドバンテージが欲しいのだろうこうやって勧誘を受けたのは一度や二度ではない。
しかもティーチは確実に強くなっているのだ。
引いたのは赤髪のシャンクスに今は勝てない、と思ったからだろう。
ならばティーチが今なら勝てる、と判断する時が来たならば?
シャンクスはその嫌な考えを振り切るように背を向け、出航を早めるべく船へと足を進めさせた。

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