初恋ラブVOICE
言葉に表せなくて
俺は結局、けいの約束を裏切り、深夜の2時にけいの部屋へと乗り込んだ。
「あー…やっぱ寝てるよねー…」
目の前にはスースーと可愛い寝息をたてて寝ているけい。
それを見ていて欲望がこみあがってくるけど、ツバを飲み込んで我慢。
最近の自分は、欲求不満が溜まりに溜まったのか、どうしても手を伸ばしてしまう。
この前の出来事だって、そう。
あの時は本当に調子に乗りすぎたと思う。
でも…俺の事をそうゆう感情で好きだって知ったら、誰だって手を出しちゃうよね。
だけど、一度その味を知ってしまったら、もっと欲しいと思うのが人間の性。
「……恵兎…」
「……恵兎が、欲しい…」
◇◇◇◇◇◇◇◇
オレが欲しいと、確かにアイツは言った。
良兄を驚かせようと狸寝入りをしていたオレ。
オレが狸寝入りしてるのを、見てガックリしてる良兄。
その姿を見て、ざまーみろって思ったのと同時に、凄く興奮してしまった。
コイツの色んな表情が見たい。
そう感じた瞬間、良兄は眉を寄せて苦しそうに言った。
「……恵兎が、欲しい…」
本当なら起きるはずだったけど、こんな言葉を聞いたら動くに動けない。
確かにオレは良兄の事を抱いて欲しいとかそうゆう意味で好きだから、とても嬉しい。
でも、同じくらい自分の性格上それを許せない自分がいる。
狸寝入りを続行していたが、いきなり体が苦しくなったと思ったら、良兄に抱きしめられていた。
それがとても心地良くなってきて、ついオレも抱きついてしまった。
「……え…、…けい?起きてたの?」
「うっせぇ、ばーか。」
狸寝入りしてたのがバレて、恥ずかしくて悪態をついてしまう。
それがわかったのか、良兄はヘラヘラ笑ってた。
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